Happiness

□Happiness4
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「遅い」


珍しく機嫌の悪そうなルハン

いつも穏やかに笑っていることが多いから

ちょっと、びっくりしてしまう



「・・・ごめん」



ん?


てか、約束してるわけじゃないのに

怒られてるのって・・・なんか・・・


ま、いっか



「クラスの女の子にルハンの事聞かれてて」

「・・・」

「いつもどこでお昼食べてるのか知ってるって聞かれたよ」

「知ってる」

「え?」



知ってるって言った?今

なら、なんで怒ってるんだろ?



「聞いてたから」

「・・・教室にいたっけ?」

「入ろうとしたら、俺の話してるの聞こえてきた」




仏頂面のままおにぎりの包装をベリベリむき出すルハン



「聞いてたなら、話に入ってくれば良かったじゃん」

「話が長引いたら面倒くさい」

「そんなもん?」


「そんなもん」




そう言って、膨れた顔は

おにぎりでさらに膨れていた



珍しい

こんなにブサイクになる事もあるなんて



よくわかんないけど

取り敢えず気になってたことを

さらに突っ込んでみた




「ね、たまには皆と一緒にいなくていいの?」

「なんで?」



膨れっ面で眉間にシワを寄せるから、さらにブサイクになっている



「ルハンは皆と仲良いいのに、俺とばっかりいていいの?」

「うん」

「うんって・・・」

「ミンソクと一緒にいたほうが楽しい」

「なにそれ・・・」



口いっぱいにおにぎり詰めて、んって俺のお弁当の唐揚げを

顎で寄こせとアピールしている



てか、俺の唐揚げ・・・



「ミンソクの顔見て、話して食べるご飯が一番美味しいからいい」

「はぁ・・・」

「ミンソクはコロコロ変わる表情が可愛いし、人見知りって言っても無口なだけで優しいもん」




もんって

可愛いって・・・




「俺は結構、無表情って言われる方だと思うけど?」

「それは心を開いてない相手だからでしょ」

「そう・・・なのかなぁ?」

「そうなの。だから一緒にいると嬉しいからそれでいいんだよ」

「なんでお前が断言するんだよ・・・へんなの」

「変だってなんだっていい。何さっきから、ミンソクは嫌なの?」

「嫌じゃないけどさ・・・」




うそ

本当は嬉しかった

でも素直になれなくてどう返事をしていいかわからなかった


一緒にいてくれること

いつもさりげなく隣にいてくれる

他の人には見せない、柔らかい笑顔



本当は

ルハンに対して友達以上の何かを感じ始めていた




だから、クラスメイトから聞かれたとき

自分がルハンを独占している時間の多さに

ほんの少し優越感を感じて、この時間がこのままずっと続けばいいなと


そう思っていた




ルハンがどういう気持ちで一緒にいてくれてるのかは

わからなかったけど、いつの間にか機嫌も治ったみたいで

もう笑顔になってるから、色んなことがどうでも良くなった


こんなふうに他愛ない会話をする時間がずっと続くものだと

この時はそう思っていた
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