〜SERVAMPBL小説〜
□猫に嫉妬し、癒された(ロウリヒ)
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「リーヒたん♪、今日はなんの日だ!!」
「猫さんの日」
目をキラキラと輝かせ即答する愛する恋人の天使ちゃんに思わず吹き出しそうになる。
クランツから聞いた話によるとおじいちゃんがリヒトが小さかったときに2月22日は猫の日だということを教えてもらっていたらしい。
今でも兄さんの猫姿をみるとキラキラした目で手招きしたり、もふもふしだすリヒト。
本当はこの日のこともサプライズにしようと思ったけれど…まぁ、それくらいのことは問題にはならないだろう。
「正解っス!!」
「バカネズミが、こんなこと知っていて当然だろうが。なぜなら俺は…天使だから」
「じゃあ…そんな天使なリヒトはたくさんの猫さんとふれあえる場所って知ってるっスか?」
さっきまで猫の日特集の記事を見ていた目がこちらに向いてさっきより目の輝きが増しているように見える。
リヒトは本当に猫や小動物に弱いっスね
「たくさんの猫さんに…会える場所があるのか…?」
「ジャパンを知り尽くしてないっスねーリヒトは、いってあげるっス。」
と言っても俺もこの前偶然バイト先の人から教えてもらったので本来はそんな大口叩けないのだがちょっとぐらい見栄を張らしてくれてもいいだろう。
「おい、さっさと行くぞ、バカハイド!!」
(バカハイドって名前で呼ぶときは大体機嫌がいいっスよねー分かりやすいっス)
「そっスね、リヒト!」
俺は準備万端で天使リュックを背負った天使ちゃんの背を追った。
「ここっスよ♪猫カフェって言うところっス」
「猫…カフェ……猫さんがコーヒーを淹れてくれたり、ケーキを作ってくれるのか?」
「いや、さすがにそれは違うと思うっスよ。まぁ猫さんとふれあえることは間違いないっス」
なんせ実際に来るのは初めてだからよくわからない。だけど猫がコーヒー入淹れたり、ケーキを作れるわけがないし、作れたとしても毛まみれになっているだろう。
「まぁ、とりあえず店内に入ってからのお楽しみってことで」
そう言ってカフェの扉を開けるとカランカランとついていたベルがなる。
「いらっしゃいま…ロウレスにリヒトさん?!」
聞きなれた声に少々ビックリしながらも店員を見るとそこには間違いなく兄さんの主人の城田真昼がそこにいた。
「真昼じゃないっスか!え、バイト始めたんスか?」
「いや、友達のお母さんが経営しているお店で…ほら、今日猫の日だろ?予約しているだけでも相当お客さんが入っているらしくて1日だけ手伝うことになったんだよ。」
店の奥の方を見ると客はまだ誰もいない。なるほど、2月22日に行くなら予約して開店と同時に入った方がいいというのはこういう意味だったのかと今さら納得。
「真昼ーどうし…にゃ?!」
「お前、あの時の猫さん!!ここでもバイトしてるのか?」
「げっ…何で今日に限ってロウレスと天使ちゃんが…向き合えねぇー」
やけに静かだなと思っていたら、リヒト黒い猫を抱き寄せていて、まさしくそれは猫姿になっている兄さんで諦めたようにぐてーんと体をリヒトに預けていた。
「にゃ!」
そうこう話をしていると一匹の猫がリヒトの足元にきててしてしと靴を叩いていた
「俺に用か?」
リヒトはしゃがんで兄さんを腕から解放した後その猫の方を向く。
「にゃ?」
「……俺の言葉がわかるのか?」
「みゃ?」
「ピアノは…好きか?」
「?!ちょちょちょ、待ってリヒたん?!」
その言葉はリヒトと俺が初めて会ったときに交わした会話(?)だ。
そりゃ俺はキュイとしか言ってなかったけど動物が反応示したらいつも言う定番セリフなんスか?!てかこの超絶かわいいロウレスちゃん無視してそれはなくないっスか?!
「あ?なんだよバカハイド。俺は今猫さんと会話してんだ。邪魔すんな」
「にゃーん」
「ん?遊びたいのか?」
その猫はリヒトに自ら近づいてすりすりと頬擦りをして甘えている。その様子を見てリヒトもにっこりと微笑み優しく猫の頭を撫でていた。
なんスかなんスか!!何時もはそんな顔しないのに!!それに超絶かわいいハリネズミのロウレスちゃん無視してそれはなくないっスか?!
あの猫め…
「おい、ロウレスー猫に嫉妬とか…めんどくせぇー」
「なっ…っ…」
確かに猫に嫉妬とか俺らしくもないっスね…だけど邪魔すんなって
「ま、まぁとりあえずお席にどうぞ」
こうして俺たちは真昼に案内され、窓際の席についた。