例えばこんな恋

□Second
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「お疲れ様でしたー、お先でーす」

そう言って自分の席を立って職員室出入口に向かう。
後ろから、お疲れ、の声が聞こえる。
教頭からは明日は遅刻しないように、と毎日言われる言葉を右から左へ受け流して一礼する。

「やっと一日がおわった…」

今日は家に帰ったら風呂入ってゆっくり寝よう。
そう決めて車を走らせた。

マンションに着き、鍵を開けようと鍵穴に鍵を差し込見、右へひねる。
すると、いつもするはずの'ガチャン'という音が聞こえない。

───あれ、今日鍵かけ忘れたか?

ドアを開けてただいまーと誰もいn「おかえりー!」

………………は?

「お疲れ様〜っ!
 や〜っと帰ってきた!
 もう八時だよ?
 僕待ちくたびれちゃったよ〜
 あっ!上着かして?あとカバンも!」

誰もいないはずの玄関には普段付けない灯りがついてて、なにも返って来ないはずのただいまにはお帰りが返って来て
キッチンからいい匂いがしてて… 
そして何より…

「蓮!?え、え、なんで俺の家に!?」

「え?だって今日から僕愁にぃの
 お家に居候するんだよ?
 アレっ!?まさかこれも話されてない…?」

その問いに頷くと蓮はあちゃ〜と渋い顔をした。

「あ、その話はご飯食べてからゆっくりするね!
 取り敢えず、ほら、上着とかばん!
 あと手洗ってきてねっ
 今日は愁にぃの好きなクリームシチューだよ!」

俺を見ながらニコニコしてそう言った蓮に脱いだ上着とかばんを渡して洗面所に行った。
手と顔を洗い終えて鏡を見る。

───夢じゃ…ないよな?

今日は散々な日だ。
そう思いながらもう一度顔を洗った。



そういえば出迎えてくれた蓮の格好、可愛かったなぁ…。
あのフリフリのエプロンは何処から来たんだろうか。
謎だ。
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