ランスさまのペット(仮)

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嫌な予感程当たるというものだ。
アポロさまに報告を終えて、ランスさまとともに部屋に戻る。

「「............」」

私もランスさまもお喋りな方ではないし、任務が失敗してへらへらしていられる状況でないことも重々理解している。
とはいえそこまで大きな失態ではなく、アポロさまもそんなにお怒りではなかった。

「......ランスさま」

部屋に着いてソファにダイブ。
右隣に座ったランスさまを見上げれば、少し機嫌がよろしくないらしいランスさまと目が合った。

「あの少年、どう思います」

ランスさまは表情を変えずにそんなことを言った。それ、今私がランスさまに聞こうと思っていたのに。
だが、答えなければ機嫌がもっと悪くなるのは経験している。この方の機嫌は損ねないのが正解だ。

「嫌な予感はします。ですが、今のままであれば大した脅威にはならないかと」

「今のままでなくなったら脅威になると言うのですか」

「″彼″がそうでしたから」

″彼″という言葉に、ランスさまがぴくりと反応した。ある意味タブーになっていることは知っていたが、別に気にすることでもないと私は思っている。
子供だと、油断した。
サカキさまは決して私を責めようとしなかったけれど、あれは確かに私の判断ミスが招いたものだ。

「ランスさま」

「今度は何です」

重苦しい空気は嫌いだった。
まるであの家のようで吐き気がする。
ランスさまの機嫌は相変わらずだけれど、時間も時間だ。
恐らく、私が何を言うのかは分かっているのだろう。
既に呆れた目で私を見ていた。
そして私はそのランスさまの考えを裏切らない発言をする。

「お腹が空きました」

「でしょうね。全く...貴女という人は...」

「緊張感とか嫌いなんですよねぇ」

「嫌いで済む問題でもないのですが」

「サカキさまとアポロさまは許してくださいましたよ?」

「あの二人は貴女に甘すぎるんです」

そう言いながらソファから立ち上がる。
食堂へ向かうためだ。
多分、ラムダさまやアテナさまに会ったらなんか言われるだろうなぁ、とか考えた。

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