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□だってしたいお年頃
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『はぁっ…あっ…いいっ…』

部屋には淫らな音が響いている。
水音と高い喘ぎ声と二つの吐息。二人の男女が求め合い、抱き合っている。
クライマックスへと上り詰めていく二人。
キスを交わそうとしたその時。


ピッ


「……何止めてんだよ。」

「当たり前だろう、あほべ。」

「あほべっ…!?」

二人の男女の声。
しかしさっきとは打って変わって怒気が含まれた冷たい女の声と大人びた低い声。
止められた画面には先程の絵が映ったままだ。

手塚はため息をついて、TVの電源を切った。

「だいたい、女に見せるべきものでは無いだろう。一人で見るのが嫌なら忍足等を誘って見ればいい。」

「あーん?お前と見るからこそ面白えんじゃねえか。」

わかってねえなぁ、とぼやく跡部。

この二人は所謂恋人同士ではあり先程の要なことはもう経験済だ。
勉強する為に見るならわかるにしても、手塚には何故自分とあんなものを見たのかが謎であった。

「…国恵。」

「…何だ、景吾。」

「さっきの、どうだった?」

「……は?」

いきなりの質問に、いつもは冷戦沈着な手塚もぽかん、とした。


「…わかってねえならいい。」


「…?」

そう言うとおもむろに跡部は座っていたベッドから立ち上がった。

「景吾…?」

「…んだよ。」

そう、手塚は何となく気づいてしまった。
何気なく見えてしまった跡部の身体。そして先程のAV。
したいなら素直に言えばいいのに…、と。

(まあ、反抗はしたと思うが)

跡部の手を取りベッドに戻った。

「おっ、おい…国恵?」

有無を言わさず、跡部をベッドへと座らせた。

(やっぱり…。)

跡部の足あたりの高さに屈んだ手塚の頬が少し染まり、跡部もつられて喉を鳴らした。

「…国恵……。」

頭を撫でて頬へとすり、と手を移動させた。


して欲しい時の合図。


ズボンの前を寛げ、下着から取出す。

「っ…。」

息を飲んだ彼の良さそうな顔にほんの少しだけ見惚れながら、上目使いでそのまま加えた。

「ん………。」

既に大きくなった跡部のモノは口にギリギリ入るくらいで、手塚も息を漏らした。

そんな色気に満ちた手塚の姿に跡部は更に高まっていく。

「は…っ…国恵…。」

「ん……ぅ…」

一生懸命舐めまわす手塚を褒める様に頭を撫でた。
それが彼女は嬉しかったようで、両手を使い奉仕を強めた。

「っ…はぁっ……」

「ん…ー……」

二人の息も上がり頬が染まっていく。
クライマックスは近い。

「…国、恵……」

「……?」

「口…離せっ…出ちまう…」

余裕の無さそうな彼の顔。
手塚の悪戯心に少しだけ火がついた。

「…ん…っ…」

「っ…!?は、離せっ」

「いや…」

どんどんと追い詰めて行き、ついに。

「っ…くっ…!!」

「ん…うっ…?」

口内で受け止めきれなかった白濁は顔や少し露出した胸にもかかり、さすがの手塚も驚いた。
だが更に慌てたのはかけてしまった跡部自身であった。

「っ…すまねえ。今拭いてやる…。」

しかしそれ以上に



興奮した。



「…っ…?」

床に座り込んでいた国恵をベッドへと抱き上げ自分の上へ座らせた。

「け、景吾…?」

「お前、エロすぎ…。」

ぐ、と頭を引き寄せ強引に唇を重ね合わせた。
驚いて見開いた国恵の目が見えたが特に抵抗はされなかった(できなかった?)ので、貪るように絡み続けた。

「っ…ん…んん…」

舌が絡み、唾液が混ざり合う水音と国恵のくぐもった声と自分の荒い息遣いが聴こえる。
おずおずと背に手を回してくる国恵の様子が可愛くて可愛くて。
きゅ、と服をひっぱられてようやく苦しいのだと気づいた。

「っ…は…」

「はあっ…は……」

離れた国恵の唇から透明な唾液が伝う。
つ、と自分の親指で拭ってやり、国恵の口の中に指を突っ込んだ。

「んっ…?」

顔を赤くしてキスの余韻に浸っていた手塚は急な事で反抗すらままならない。
跡部は口の中を指で掻き回し、弄んだ。
口から出した指はとろ、と糸が引いていて跡部は手塚に見せつける様にその指を舐めた。

「っ…………」

手塚はその行為に羞恥で顔が真っ赤になり、何も言えなくなってしまった。
その様子はどうやら跡部の思う壺だったようで、くく、と笑った。

「あれだけ反抗しておきながら、随分と感じてるみてえじゃねえの?あーん?」

「か、感じてなど…。」

否定しかけたが、実際は跡部の言っていることが事実なので口をつぐんだ。

「ほんっと…可愛いな。」

「…!」

ぎゅ、と抱きしめられてスリと肩に擦り寄られた。
こんな事されたらもう何もできない。
跡部との行為を断る事も、胸のときめきを抑えることも。

きゅ、と手塚も跡部の背に手を回し、彼の肩に顔を埋め


「……もう、好きにしてくれ。」


恥ずかしそうに、小声でそう呟いたのだった。
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