大家族計画
□長男と末っ子の謎解き
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「…ねえ。」
「ん?」
地面の方から声がしたと思って下を見てみれば、そこには小さな男の子。
最近生意気さに磨きがかかってきた、小学二年生の双子の片割れ。
丸い目をこちらに向けている。
ご用は、何かな。
「何で愛金は〜やろ、とか言うの?」
俺は言わないのに
そう思っている確率、90%。
片割れは、不安なのかな。
一緒じゃないから。
「…何でだと思う?」
俺は屈んで目線を合わせて問う。
笑顔なのは、双子の心情に興味を持ったからだ。
「んー…?」
首を傾げてこちらを見る。
残念。
俺は誰かさんのように甘くはないから、すぐ答えはあげないよ。
でも、ヒントはあげよう。
「じゃあ、家族の中で愛金の他に〜やろ、とか使ってるのは誰?」
「えーと、父さんとケンヤにいちゃんと…あといとこのにいちゃんたち。」
「そうだな。」
俺がそこで言葉を切ってしまうと、先程より10%程ムッとした顔をこちらに向けて。
「「意地悪するなよ」」
「…と、リョーマは言う。」
「…なにそれ、花蓮さんのまね?」
「真似、と言うかうつったというか…。」
俺は事の外にっこりと笑って。
「まあ、そういう事だよ。」
ポンッ、と頭を撫でた。
今の会話だってヒントなんだけれど、少し難しかったか?
「答えがわかったらまたおいで。」
その時はもっと面白い問題を用意してあげよう。
End