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□生クリームで素敵な誕生日を【翌日編】
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待ちに待った10月7日。
俺のお姫様の誕生日。



ショータイムの始まりだ…!




「…跡部。」

「あーん?何だよ、手塚。」

「これはどういった状況だ?」

手塚が疑問を抱くのも致し方ない事だ。
このおぼっちゃまは何をしでかしたかというと。


一面に広がる、クリームパイ。


「クリームパイだが?」

「そのくらいわかっている。」

じゃあ何なんだよ、と言いたげに目を細める王様は、その状況がいかに常識外れなのかが、理解できないらしい。

「…何故、そんなに大量に作ったんだ…。」

盛大な溜息。
―二人共物凄く甘党と言う訳でも無いから、無駄になってしまうではないか…
手塚はそう思っているのだ。
(跡部はどちらかと言えば甘いのは好まないし。)


「あーん?お前専用だっつうの。」


「……は?」

手塚は眉間の皺を更に深くし、先程の言葉の意味を問い正した。

「だから、こういう事だ。」

そう言うなり、跡部は一つのパイを持ち手塚へと近づいた。

―パイ投げか?

そう考えた手塚は眼鏡を外し、目を伏せて何時でも避けられる様に構えた。

しかしパイが空間を割く音は聴こえず、足音だけが近づいてくる。

不審に思った手塚は目を開けることにした。

「おい、跡…。」

べ、の文字は発音が出来なかった。
もう一つの唇によって塞がれて、言葉を発するどころではない。

「んっ…!?」

手塚の茶色い瞳が驚きで丸くなる。
その反応を楽しむかの様に、跡部は舌を進めた。

「っ…ん、んん…」

口内を満遍なく犯され、くぐっもた声と粘液が混ざり合う水音だけが、静まった部屋に響く。

「…っは。」

「っ……跡部!」

「あーん?何だよ、手塚。」

跡部は当たり前だ、と言わんばかりに手塚のシャツのボタンを外してゆく。

「な、何して…っ」

「脱がねえと、服が汚れちまうだろ?」


―は?


「よ、汚れる…?」

「おう、コレで。」

コレ…。
跡部の視線の先には、片手に持ったままの生クリームパイ。
先程の『お前専用』という、不可解な言葉。
そういえば、口の中が妙に甘いし…。

…もしかしてもしかすると

何て昔のアニメの言葉が手塚の頭に降ってきた。

「……まさかお前…。」

「やーっと、わかったか。」

顔を見なくても跡部が意地の悪そうな顔をしているのが手塚にはわかる。
長年の付き合いのせいだろうか。


「さあ、お楽しみはこれからだぜ。」



手塚の反論の声は、甘いキスによって掻き消されてしまったとさ。


めでたしめでたし(?)






End
 

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