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□だってしたいお年頃
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「んっ…けい、ご…」

先程とは打って変わって甘く高い声が響く。
身をよじる際にベッドのスプリングがぎし、と音を立て、中に挿れられた指が動かされる度に卑猥な水音をうんだ。

声と息を奪う様に、キスを仕掛けて頭の中がお互いで埋まってゆく。

「……国恵…」

ゆっくりと口を離して、国恵の顔を見た。

赤くなった頬、とろけた目に光る涙、濡れた唇。
すべてが美しくて。


(俺だけを見ていればいいのに)


なんて、何度想ったことか。


「ぁ…っ…」

指が二本に増えてさらに広げられる。
痛みなど既に慣れてしまって感じなくなって、奥の方がきゅん、となるような快感が迫ってくるだけだった。
震える足に、握りしめる掌に、優しいキスが落ちてくる。

その優しさと行為の激しさのギャップに抜け出せなくなる。

「もう……いいから…っ」

ギブアップを申し入れ、指が抜かれる。
息を整えているうちに、両膝の裏を押されて足を大きく開かされた。

この恥ずかしさと緊張はいつまで経っても消えてくれないものだ。
伏せていた目をゆっくり開けると、景吾と目線が合わさった。
優しく目尻を下げると緊張をほぐすように頭をゆっくりと撫でられた。


本当こういう所がずるい。


ふ、と呼吸をして、撫でていた大きな手を握った。
きょとんとした相手に少し微笑むと、景吾の顔が赤くなっていくのがわかった。

「煽ってんのか?」

「いつまでたっても、来ないからな。」

「んだよ、さっさと挿れてほしいってか?淫乱だな。」

「ちがっ…そういう意味ではっ…」

そこまで言いかけて口を塞がれた。
絡ませていた舌を離すと名残惜しそうに唇を舐められた。

「じゃあ、淫乱なお姫様の言うとおりにしてやるよ。」

ニヤッと笑って、それをあてがった。



ず、と、いう音がして俺のモノは入っていった。
いくら慣れさせたとはいえ、やはり挿れ初めはキツい。

「あ…っ…!」

握りしめた細い手に力が籠もる。
ベッドに沈んでいた背が浮き、足はつま先まで力が行き届いている。
痛みに力が入ってしまったようだ。

「くに、え…力、抜けっ…」

「ん…はぁ…あ、あ…」

息も絶え絶えに返事をしてくれた国恵を少し浮かせて、抱きしめ頭から背にかけて優しく撫でた。
それに合わせて力が抜かれていくのがわかった。
それを確認して、もう少し奥に進めていった。

「ぁ…っあ…」

「う…っ…」

擦れる瞬間きゅ、と締め付けられる。
痛みより気持ちよさが上回った証。
何気に、こういう些細なサインが嬉しかったりする。俺との行為で感じてくれている。
何度シても嬉しい。

「国っ…恵…」

「んぅ…ぁ…」

何度も揺さぶられて、イイところを突かれて、限界も近いようだ。

「け、いご…っ…」

首に腕をまわしてきた。

(あーもー…甘えてくんなよ…。)

可愛すぎて歯止めがきかなくなる。

「あッ?だ、駄目だ、景吾…っ」

国恵を抱き上げて俺の上に座らせた。より深く俺のものが入ったようで、国恵は背をのけぞらした。


「…けい、ご…ーッ!」




それからはあいつも俺も夢中で、終わった時には俺の上で俺の肩にくたりと凭れて息を整える国恵がいた。
だいぶ疲れたようで、いつもなら「早く抜け」と怒られるものの、それすらも言われず、挙句の果てにはそのまま寝てしまった。


「……やり過ぎちまったな…。」


涙を睫毛にためたままの赤い寝顔を見つめながら、一つ、呟いた。
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