手を伸ばした世界

□01.生まれ落ちたところは別世界
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ーー生まれ落ちて早10年の月日が経った今日この頃。この日俺は初めてバレーなるものをやってみた。

動機とかは特になし。強いていえば、他にすることが無かったからだ。これが学校とかあればまだマシだったんだけど、あいにく今日は休み。

「…った」

やっぱり上手くはいかないようだ。高く上げすぎたボールは受け止めきれず、そのまま自分の頭にぶつかり、思わずその場にしゃがみ込んだのも束の間。

少しムッと来たので、もう一回バレーボールを上げ、レシーブするとマグレで上手く上に上がった。

すると何故か忘れていた"ナニカ"が出そうになったところで、ハッと気づく。


(…何やってんだ自分)

この体はまだ10才とはいえ、精神年齢は18過ぎてんだろ。

そんなに熱中することじゃないのに。なんでこんなに。

「…楽しいんだよ…」

その感情の意味がわからないまま、家に帰った。
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