こんにちは、「世界」
□02.先輩
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ある日の部室。入部してから約2週間。
「そういえば、小金目って出身中学ってどこだ?」
細い目つきと金髪なのは、3年の木の葉さん。
て、それより。
「え、と。なんで、ですか」
「いや、サーブが凄いなーって思って。あと出身中学言ってないの小金目だけだしな!」
そういえばそうだよなー、と他の先輩や同輩達が着替えの手を止めて視線だけ向ける。
「え、あの…」
嫌だ、言いたくない。期待されたくない。あの目で見てほしくない。
《〜♪〜♪》
「っ、すみません、電話出てきます」
ディスプレイを見て、体が固まる。なんで今更、掛けてくるんだろう。
ピッ
「、はい。小金目ですが…」
恐る恐る電話に出てみれば、威圧感のある声が耳に響いた。
『小金目、今度お前の居るところと練習試合を組むことになった』
「え、と…。なん、でそのこと、俺に言うんですか…っ?」
というかなんでこの人俺が行っている学校知っているのだろう。
『特に意味は無い。唯そこに小金目が居ると知っていたからだ』
「…だから、なんですか…っ?若さんはそれ言って、なに、したいんですか?潰すんです、か?」
『潰す?唯、お前の居るところはどれくらいの強さか知りたいだけだが?』
あ、忘れてた。この人、天然入ってたんだった。要らない心配してしまった。あれ、…なんで梟谷の心配したんだろう?
「…強い、と思いますよ。あなたには、敵わないけれど、それでも強いです」
『そうか。まあ、どうせ勝つのは俺だがな』
そう言って、電話は切れた。
「…チームッて言ってほしかったな」