手を伸ばした世界
□01.生まれ落ちたところは別世界
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あの日から3日経った今日。ふと学校での帰り道に、公園で同じくらいの男子が尻餅をついているのを目撃した。
その周りには同じクラスメイトやしき奴らがそいつを囲んでいた。いわゆるいじめか何かだろう。
特に興味は無かったけど、偶然そいつと目が合ってしまい、渋々だけど助けることにした。
だってそいつの顔が悲壮感溢れまくってるんだよ。それに放っておくと後々気分が悪くなる。
「…ばっかみてぇ。お前ら恥ずかしくないわけ?」
そう言って嗤ってみたら案の定、怒った顔で突っかかってきた。
「っああっ!?なに笑ってんだよ!」
「調子乗んなよな!」
「1人で何が出来んだよ!」
「じゃあ寄ってたかって1人苛めてるお前らはなんな訳?むしろ、そっちの方がかっこ悪いね」
今度は威圧を出して言ってみると、怯んだように行動を止めた後、慌てて走って行った。
それを確認した後、今だに地面に座っているそいつに目を向けると、
「っご、ごめんね、巻き込んじゃって…」
と何故か謝られた。しかもまだ何かを言っている。どうやらいつもは友達と一緒に帰っているけど、たまたまその友達が先に帰ってしまい、そこをいじめっ子達に狙われたらしい。
「本当、ごめんね。俺、こんな顔だからさ」
あははは、とそいつは元気なさげに笑った。心無しか、てっぺんのアホ毛までも落ち込んでいるように見えた。
「…別に、見てて気分が悪くなりそうだっただけ」
それじゃあ、とその場を立ち去った後。そいつが、
「…ツッキー並みにかっこいい」
と呟いてたことなんて本人以外知らない。