黒子のバスケ

□こんなことって。3
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それからは覚えていない。意識を失ったみたいだ。目を開けたら白い部屋で、保健室かなと思った。でも、窓から見える景色が、学校じゃなかった。

「…きれーな庭。ここどこだろ。」

起き上がって、見渡すけど、個室のようだった。何か、病院なのかな?

そう思ったとき、ドアが開いて看護師さんが入ってきた。ああ、病院なんだ。大げさだなあ、風邪ぐらいで。

「高尾さん、気がつきました?気分はどうですか。気持ち悪いとか、何かありますか?」
「いえ、今のところは、特になにも。おれ、どうしたんですか?風邪ぐらいで病院なんて、大げさですよね。」

いつもの軽いノリで、看護師さんに話す。風邪ぐらいで大げさ。そうだよ、何で病院なんだ?

「…、高尾さん、気を失ったみたいですね。後ほど、医師からお話がありますから…。」
「…?はい、分かりました…?」

今、頭の中は完全に疑問符だらけだ。でも、看護師のあの顔。なんか、いい予感はしなかった。

不安を払拭するように、ベッドに体を預け、枕に顔を埋める。早く、真ちゃんに会いたい。真ちゃんに合うことこそが、一番の不安解消法だと思う。

―緑間 真太郎。おれの、大好きな人。おれを、愛してくれる人。
だけどおれはこの時、まだ知らなかった。おれの愛する人が、おれを愛してくれるが故に、辛い結末を招くことになるのを。知る由もなかった。




程なくして、医師に呼ばれて近くの相談室に案内された。そこには、母さんがいた。

「!!っ、和成!」
「母さん?どうしたの、今日仕事は?」
「何言ってるのよ!お前が倒れたって聞いて、急いできたんだから!!」
「ええ?そんな、風邪くらいで大げさな…、」
「和成君。その事なんだけどね…。」

おれと母さんの言い合いを聞いていた医者が、言いづらそうに口を開いた。顔からして、いいことじゃ、ない。

「君の血液検査結果や、CTなんかを撮って見たけど、どうも風邪じゃないみたいなんだ。倒れたとき、どんな感じだった?」
「え、っと…、たしか、貧血みたいでしたけど、それよりはひどかったかな…。殴られたみたいに痛いのもありました。」
「そうですか…。やっぱり、君の病状は、風邪ではないようです…。」

「え…?」

「…、君の、病名は…。」

―聞いたこともない病名と、日本では治し様がないことが告げれる。

ああ、真ちゃん。早く、あなたに会いたいです。
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