鬼灯の冷徹
□猫を拾った。
1ページ/5ページ
今日は珍しく休みをもらった鬼灯。
だが、彼の休みは癒しアニマル3匹によって、天国遊山へと変わった。
「鬼灯様ーー!!桃太郎のとこ行こうよー、今日お休みなんでしょうー?」
「…お早う御座いますシロさん。天国…ですか。まあ、いいでしょう。ちょっと待っててください。」
「わあい!!」
鬼灯が休みだと聞いてやって来たシロ、柿助、ルリオは、鬼灯にとっての癒しでもある。快く付き合ってあげようではないか、と鬼灯はまんざらでもない。
「あまーくてー、スイーイトー♪」
てくてく歩きながらシロが歌う。
「…シロさんはピーチマキの曲が好きでしたね。」
「うん!今有名だよね!」
すると、鬼灯の肩にいたルリオが質問した。
「鬼灯様は好きな曲とかないんですか?」
「私ですか。私は―」
話しながらてくてく歩いていると、シロが何かに反応した。
「あ!猫の匂い!こっちだー!」
「あっ、シロ!!」
だだだっ、と走っていったシロは、木の根元で止まった。
尻尾をふりふり、「捨て猫だー!」とはしゃいでいる。
猫はというと、怯える白猫と睨む黒猫の二匹がいた。
もふもふが捨てられているとは、と鬼灯が近寄ると、その猫たちはまるで…
「…なんだか見たことがあるような猫ですね。」
「…なんだか…」
「えっと…」
言いよどむ2匹と正反対に、すっぱり回答を出したのはシロだった。
「鬼灯様と白澤様にそっくりだね!!」
「不愉快ですがそっくりですね、特にシロさんに怯えている方が。」
どんな意味で不愉快なのだろうか、と思ったが黙った2匹であった。
「ところで鬼灯様。この猫たち、どうするんですか。このままにするんですか?」
柿助がもっともな質問をする。
鬼灯は、腕を組んでしばらく考えていた。
ついでに、シロを猫から離しながら。
「放っておくことはできませんね。ですが、私では満足な世話が出来るとは限りませんし。…どうせなら、このまま天国のヤツのところに置いて行くのもいいかも知れません、どうせ暇でしょうから。」
そんな結論が出たので(主に鬼灯から)、一行は猫を(鬼灯の)懐に入れて天国へ向かった。