雑木林

□漢方薬剤師の嫁
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その子は、美しく強かった。
儚くも、美しかった。
独りでも、強かった。

一日で決めた。

この子を、弟子にしようって。

*******

「―ポンド、―万ポンド、―万ポンド…」

闇オークション会場。
ここには、様々なモノが出品される。

それこそ、表には出せないモノ。
人だって扱っている。

僕、白澤は珍しく、オークション会場に足を運んだ。
周りがざわついている。

「なんだってアイツが…―」

「珍しいな…」

「―何をする気だ…」

ひそひそ。
ざわざわ
ああ、不快だな。

しれっと席に座る。
あとは、いいものが出るかどうか。
だって、そろそろ考えないといけないからね。

―いくら僕だって、そろそろ弟子とか子孫とか、考えないと。―

だらだらと続くオークションを眺める。
そろそろ眠くなってきたけど、帰りはしない。
なんでも、今日は珍しく目玉商品が入ったという。まあ、絵画か何かだろうけど、興味はある。

やっとオークションも終盤。
目玉商品のお出ましだ。

だが、それは、絵画ではなかった。
―あれは…―

「さあ、皆様!!今日の目玉はなかなか珍しい!
人と鬼火の混合種、しかも日本産だから黒髪が美しいですよ…?」

これだ。

このくらい上玉で、このくらい特殊でなくちゃ、僕の後継は務まらないよね。

次々に人々が値段を付ける。
釣り上がる。
僕は待つ。
終わりが来るのをひたすら待つ。

「―百万ポンド。これ以上、ないでしょうか?」

そろそろ他は終わりみたい。じゃあ、―。

「はーい。―千万ポンドー。」

言うが早いか、たっ、と席を離れ、ステージへ向かう。
周りは唖然としていた。
うつむき、布をかぶったその顔へ、声をかける。

「見つけた。君を、僕の弟子にするよ。」

ぱっと上がった顔は、黒髪、ぱっちりとした瞳、そして黒の中の白い肌。

ほう、と息を呑む。

―やはり、上玉だな。―

こうして、白澤はこの子供を買い取った。



こっからはキャラがいないよぉぉぉおお早くマンガ読みたいですひゃああああああ←うるさい

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