リスのコラさんとハムスターのロー シリーズ

□リスのコラソンとハムスターのロー 番外編
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「コラさん、おれ、外に出てみたい」

 お天気のいい午後のこと、コラソンからお昼ご飯を食べさせてもらったローは、巣穴の外を見て言いました。
 ヒクヒクと鼻を動かしたコラソンは、磨いていたドングリを置いてローを抱き上げます。

「しっかり捕まってろよ」

 コラソンに抱き上げられたローは背中に移動して、コラソンの尻尾に座って小さな手で背中を掴みました。

「いくぞ!」

 器用に巣穴から出て下りるコラソンのふさふさの尻尾は、ローが振り落とされないように背中を包んであげています。
 木の枝を渡って上ったり下りたり、コラソンはローを背中に乗せたまま一軒の家の前まで来ました。

「魔女ばあさん、ナッツくれよ」

 半分以上食べられてボロボロになっている家は、甘くて美味しそうな匂いがするお菓子の家でした。
 コラソンの声を聞いたお菓子の家の魔女は、割れたクッキーの扉を開けて、しわくちゃの顔を覗かせます。

「おや、久し振りだね。ナッツかい? ちょっと待ってておくれよ」

 引っ越しても引っ越しても、三匹の犬が家を食べにやって来て、もう疲れたと言いながら魔女はコラソンにナッツと、ローに焼き立てのクッキーのかけらをいくつか持たせてくれました。
 魔女の愚痴を聞いたローは、ルフィやその兄弟たちを思いだします。
 生まれ育ったヒマワリ畑は、今どうなっているんだろう。
 泉で休憩して、コラソンと一緒にナッツとクッキーを齧っていると、女の子たちの声が聞こえてきました。

「信じられない。あの仕立て屋、よくも騙したわね」

「今度、火であぶった鉄の靴を履かせて、うんと懲らしめてやらなきゃ!」

「それなら、最近私が育てているきのこや花を勝手に食べて、大きくなったり火の玉を飛ばしている兄弟も懲らしめて欲しいわ」

 女の子たちはコラソンやローに気づくことなく、泉に向かって銅のコインを投げます。

「アナタが落としたのは…」

「銅のコインよ。だから、銀のコインも金のコインもくださいな」

「………最後まで言わせてよ」

 クッキーを齧っていたローは、目を輝かせます。

「コラさん! おれもクッキー落としてみたい」

 歩きだすローに、コラソンは笑いながらローを引き寄せて抱きしめました。

「金や銀のクッキーなんか食ったら、腹壊すぞ」

 コラソンにキスされたローは、それもそうかと諦めましたとさ。





END

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