時神の三角形

□第4章 
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食堂に入ると、まばらに人がおり、思い思いの場所で食事をしていた。そして―。
「…広っ((汗」
「まさに京子の家」
「だからそれどういう意味?」
困惑した表情を浮かべる京子。
「要するにすごく広いってことだよ。とにかく席に着こう。あ、あそこいいかも」
波瑠が指差したテーブルは9人席で全て空いていた。
「ん〜…どう座る?」
「2つ席を空けて一列に座ろっか。誰も来なかったらまた座り直したらいいし」
「じゃあそうしよう((付和雷同」
一同は中心に近い方の席を2つ空け、一列になって座った。
そうして皆が席に落ち着いたとき
「え〜!」
比奈が不意に大声をあげた。
「どうしたの、いきなり」
「あ、あそこ見てよ…」
言われたとおりに目を向けると…
「わお☆」
2つ挟んで右のテーブルでMr.ForestとF.Kitaが楽しそうに談笑していたのだ。
「何でここに先生が!?」
「お仕事どうしたんだろ〜」
「というより何でF.Kita」
皆、それぞれの疑問に首を傾げる。
「あ、あの。ここいいですか?」
放心状態に陥った一同に誰かの声が聞こえた(気がした)。
「あ、どうぞ―って、え〜!」
いち早く反応した梨絵が突然叫び、思わず他の6人も現実に引き戻された。
「嘘だろ〜!」
声を掛けたらしい少年も同じく叫ぶ。
一瞬2人に周りの注目が集まったが、すぐに皆自分たちの話に戻った。
「き、奇遇だね〜」
「そ、そうだね〜」
恐ろしくぎごちない会話を交わす2人。
「えっと、感動の再会に水を差すようで悪いけど、お2人は一体どういう関係なのかな?」
目をきらきらさせ、興味津々の表情で質問する莉央。
「んっと…小学校の時の同級生」
「き、奇遇だね〜」
「あはははは…」
返す言葉がない。
そうして話していると、
「ああ、そこにいたのかT。探したぞ」
背の高い青年がやってきた。
「ああ、ごめん。みんな、こちらはS。大学生なんだ」
「へぇ〜」
「Sです。どうぞよろしく」
結構クールに見える。
「そういえば君たち。これは一体何が起こってるんだ?突然襲われて気がついたらここにいたんだが、いきなりRPGって言われても…」
「ああ、それは…現実世界で実際に人が殺されていくゲームで―」
涼香が説明を始めた、その時。
「う、ぐぁぁぁぁぁっ!」
どこからか男性のものと思われる唸り声が聞こえてきた。
声がする方向を見ると、派手な身なりをした男が1人、悶え苦しみながら床をのたうちまわっている。
やがて、動きが小さくなってきたかと思うとそれきりぴくりとも動かなくなった。
「そう、まさにあんな感じで人が死んでいきます」
「なるほど―っておい!あれ、完全に死んでるじゃないか。平然と説明を続けるんじゃない!」
「ち、ちょうどいいタイミングで死んでくれたので…」
「し、死んでくれたって…まあわかりやすかったからいいか。とにかく現場を見に行ってみよう」
すたすたと騒ぎの中心に歩いていくS。
「涼香もSも2人して人を雑に扱いすぎでしょ。死んだ人がかわいそうじゃん」
Sがその場を去ったあと波瑠が突っ込んだ。
「え〜。No nature No living」  ←綴り合ってるかな?
涼香の釈明。
「意味わかんね」
「ヒュー。それにしてもSって素晴らしい野次馬根性ネ」
話題を変える鬽衣。
「君、一言多いよ(パシッ)」
今度は比奈の手がJohn.Bieを襲う。  ←hit!(笑)
「アナター(ペシペシ)」
鬽衣も負けじと反撃。
「えーっと…なんで私が叩かれてるのかな?」
京子が流れ弾を食らっていた。
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