時神の三角形

□第5章 
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「みなさーん、楽しんでますか〜?」
遺体の周りで立ち尽くす一同の耳に香乃の放送の声が入ってきた。
「おい!何が楽しんでますかだよ!俺たちの団長に何をした!」
「そーだそーだ!」
「えっ?…あぁ〜、もう1人殺られた人がいるのか」
「何だと!?」
怒りに猛る男達。
「このゲームは命を懸けたRPG(ロールプレイングゲーム)。誰が死に、誰が生き残るのかは誰にもわからない。展開は全く予測不可能だからね」
「何だよそれ。ばかばかしい。やってられないよ」
Sと同年代と見受けられる青年が鼻で笑って食堂を出ようとしたその時。
「君たちはゲームが終わるまで帰ることは出来ない」
渋い男の声がしたかと思うと、青年の目の前でガチャンと皆が入ってきた扉に鉄格子が下りた。
「ゲームさえ終われば帰ることが出来る。まあ、頑張ることだ」
「では、食事を続けてくださ〜い。時間が来たらまた放送しまぁす」
再び香乃の声に切り替わって放送が終わった。
「くそっ…」
先程の青年が呟く。
「あの…このゲームが終わればすぐに帰れるんですよね。だったらできるだけ早くゲームを始められるように準備をしておいた方がいいと思うのですが」
先程の医者らしき男性が遠慮がちに提案した。
「そうですね。じゃあ、とりあえず食事をしながら自己紹介していきましょうか。そこの人から順番に」
Sが先程の青年を指す。
「えっと、プレーヤー名だけでいいですよね。僕は『修道士』です。一応大学生です」
続いては医者らしき男性。
「私は『万能医』。本業も医者をさせていただいております」
次は小学生くらいの年の少女。
「私は『超能力者(エスパー)』でーす。今7才です〜」
後は長くなるのでまとめると…
『怪盗』…S
『騎士』…T
『爆弾魔』…20代前半くらい。見た目は普通。
『巫女』…20代半ばくらい。袴姿。
『狙撃手』…20代前半くらい。銃を持ってる危ない人。
『道化師』…30代前半くらい。楽しい人。
『教師』…F.Kita
『偉人』…Mr.Forest
こんな感じになった。
「大分混沌(カオス)なメンバーが揃ったね☆」
「救いようがない」
「ノー、コメント」
それぞれに小声で感想を言い合う7人。
そうして話していると
「ではでは時間が来ましたので次のステージに進んでくださーい!あ、さっき殺されちゃった人とその部下はゲーム・オーバーなので退場です☆ここで少し待っててくださ〜い」
再び放送が流れ、一同は香乃の誘導に合わせてまた突然開いた壁をくぐっていった。
「ちぇっ、俺たちもゲーム・オーバーか…」
「うわっっ!ち、ちょっと、あれ見ろよ!」
「え?うわ、何だあれ!?」
「お、俺たちここで死ぬのか!?」
「嘘だろ!?」
「わ、わーーっっ!!」
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