七つの殺意の器

□第6章
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KLH暗雷庁史上、最悪の裁判官と呼ばれた男、黒雷波瑠。
彼の下す判決は全て金次第だった。
波瑠に賄賂を渡せばどんな犯罪を犯しても必ず無罪となり、逆に金持ちにとって都合の悪い人間はたとえ無実であっても有罪になった。

波瑠がそうまでして金を集める事には理由があった。
彼には愛してやまない「娘」がおり、その娘は病に冒されていた。

不自由な娘の足を治すためには悪魔の力が必要だった。
一つでは足りない。七つだ。
全ての悪魔を手に収めなければ、彼の願いは叶わない。

悪魔の存在を教えてくれたのは、懇意にしていた脚本家だった。
それが真実であるかどうかは、彼に知る由はなかった。
それでも彼は突き進むしかなかったのだ。

彼の暴走はやがて民の怒りを招き、内乱が起きた。
波瑠にとどめをさしたのは、少女の放った1発の銃弾だった。

その銃弾も『殺意の器』である。
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