DREAM

□勘違い
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「岩泉くん、
あの、これ……」



そう言って俺に手紙を渡そうとする名字は
クラスが一緒で、席が隣になった時によく話すようになったやつ。

特別可愛いってわけではないが、
正直なとことか、周りに優しいとことか、影ながら一生懸命なアイツに惹かれていった。














でも、名字は俺じゃなくて及川に惹かれていたんだな


そんなことを考えながら
差し出された手紙を眺める。






好きなやつには幸せになってもらいたい、

そうは思っても
名字が好きな気持ちには誤魔化しが効かなくて。














「ちゃんと本人に渡した方がいいんじゃねぇの」



ぶっきらぼうに言い放つ。






「…岩泉くん?」

「そういうの俺に頼まないで及川本人に渡せよ」

「ま、待って」

「じゃあ」



そう言ってその場を去ろうとする。














「岩泉くん!!」









それでも、名字は俺の腕を引っ張り
去ろうとするのを食い止める。










「離せよ」

諦められなくなるから。
欲しいと願ってしまうから。








俺の気持ちなんか知らずに名字は腕を離そうとしない。















「離せって」

「及川くんにじゃなくて、
岩泉くんに!…です」


腕を振りほどこうとした俺に
しびれを切らすように名字は叫んだ。

















は?
俺に?
及川じゃなくてか?




状況を読めず呆然とする。

名字は真っ赤な顔で俺を見る。












「岩泉くんに、読んでもらいたいの」






俺の腕を離す間際、聞こえるか聞こえないかの声で
















好きです。




そう言って俺に手紙を押し付け
名字はカバンを持って走り去っていく。























あぁくそ。
明日どんな顔で会えばいいんだよ。









(あれー?岩ちゃんどうしたのー?)
(…うっせぇクソ川)


************

岩さんはお初でございます。

管理人は及川さんより
断然岩さん派だったりします笑笑

今回も読んでくださり、ありがとうございます!

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