DREAM

□忘れてね
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私の幼なじみは、優しい。






いつも、小さい頃から重い病気にかかっている私の味方でいてくれる。




中学になって部活を始めても、土日のどちらかは絶対お見舞いに来てくれる。



高校に入ってもそれは変わらない。
















でもね、旭。

その優しさが、辛くなってきたの。


















「名前、おはよ。」




日曜日、また旭がお見舞いに来てくれる。


ジャージ姿で来たということは、このまま部活に行くんだろう。



「旭、おはよう。
今日も来てくれてありがとう」




なかなか力が入らない体を無理矢理起こして、旭に微笑む。




「横になってなくて大丈夫か?」


私のボロボロの体を気遣って
旭は背中に手を回し、私の体を支えてくれる。







2人の距離が近くなり、旭の体温が伝わってくる。












温かくて、ホッとした。

暖かくて、涙が出てきた。






「名前、大丈夫か?どっか痛いのか?」









痛いよ。

この温度が離れていくのが。

怖いよ。

バイバイするのが。




好きだよ。

優しくて、大きくて、暖かい君が。












体の力を抜いて、旭にもたれかかる。



「…名前?」


「ねぇ、旭。
私が死んだら、私のこと忘れてね。」

「…え?」











なんとなく分かるの。

この時間に終わりが近づいているのが。

この体が眠りに向かっているのが。









「…旭は優しいからさ、私のこと覚えててくれるでしょ?
私は嬉しいけど、それじゃ旭が辛いもんね。
だから、忘れてね。私のこと。」



傷だらけの大きな手を握りながら言う。



「そんなこと、言わないでくれよ。」


涙声で旭が頭を撫でてくれる。












泣き虫だなぁ。旭は。

そんなことを考えながら、
耳元から聞こえてくる旭の心臓の音に耳を澄ませる。






「私ね、旭の笑った顔が好きなの。」





一度だけ、旭のバレーの試合を見に行ったことがある。

点を入れたときの、あの笑顔が大好きだった。


もう見れないんだろうなぁ。



「旭にはね、笑っててほしいの。」




これ以上涙が出てこないようにしながら、精一杯笑顔をつくる。


そしたら、旭は
「お前が死んだら、俺は笑えないよ」
なんて言うから。

結局涙が出てしまった。























神様。

どうか、彼が笑ってくれますように。

泣いても叫んでも、最後には笑ってくれますように。











私のこと、忘れてくれますように。








(ああ、泣かせる立場にはなりたくなかった。)



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悲しい系を書いてみたかったんです、すいません←

携帯ぶっ壊れて修理に出してましたwwwww


読んでくださり、ありがとうございます!

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