花鳥風月

□はろー、はろー
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「本当にここ、学校?物凄い静かだけど!」

「今は授業中なんだ、静かにな」

「はーいっ!!」

「…………………………」









ひとまず、風月と義丸は挨拶をするため、学園長室へと向かう。


「失礼します。兵庫水軍の義丸です」

「おお、待っておったぞ。さ、早く入りなさい」


学園長から発せられた言葉に、義丸は室内へと入っていき、その後ろから風月も不安そうについていった。


「今回は話を聞いてもらって、本当に有り難うございます」

「いや、兵庫水軍には世話になってるからのう………。それに、生徒が一人増えるのも良い事じゃ。」


学園長の言葉に、不安そうにしていた風月の顔も、段々と笑顔へと変わっていった。




「義丸兄さん!私、ここでなら上手くやっていけそうだ!だから頑張るね!」

「風月っ………お前、本当に成長したなっ!!昔は何かある度に泣き叫んでたのにっ!」

「む、昔は昔っ!今は今だっ!そ、そんな事より、早く学園に入りたい!」


二人のやり取りに、学園長も声をあげて笑った。



「そうも決まれば早速、くの一になる準備をして貰うかの………山本先生」

「はい」

学園長の言葉にくの一教室担当の山本シナが、天井から音も無しに降りてきた。


その姿を見て、風月はキラキラと目を輝かせた


「すっげー格好いい!!!」

「風月!言葉使い!」


隣からはお決まりである、義丸からの注意に風月はペロリと舌を出した。


「ふふ、元気が良いのね。私はくの一教室担当の山本シナよ。よろしくね、風月さん」

「こちらこそ!宜しくお願いします!」

ニコニコ笑う風月に隣にいた義丸も溜め息をつきながらも、笑って頭を下げる。



「少しお転婆なんですが………。すみません、宜しくお願いいたします。」

「義丸兄さん!私、一人前になって、義丸兄さん達を驚かせるからね!待ってて!」

「分かってるよ。頑張れよ風月」

「はーいっ!」





元気な返事をする風月に、義丸は安心した様に笑っね立ち上がる。


「では、俺はこれで。本当にこれから宜しくお願いいたします。」

「心配になったらいつでも様子を見に来なさい。待っておるぞ」

「じゃーなー!義丸兄さん!」


大きく手を降る、今まで大切にして育ててきた少女に、少し寂しさを覚えながらも義丸は、笑って手を振った。






(さて、風月さん。貴女には明日、色々テストを受けて貰うわ)

(えっ、テスト?どどどうしよう!)

(ふふっ、そんなに慌てなくても良いわ。まだ勉強したこと無いんだから、出来なくて当たり前だもの。少しだけ、実力試しってとこかしら)

(よ、良かったー……)

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