花鳥風月
□くの一、忍たま
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「あ、えっと貴女が昨日から新しく、くの一になった風月さんですか?」
「ん?そうだよ。そう言う君は?」
「あっ、私くの一教室のトモミって言います!これから風月さんのテストって言うことで迎えに来ました!」
朝から聞こえてきた元気な少女の声に風月は新鮮な気持ちで自室の扉を開けた。
ちなみに、風月の自室は一人部屋。一人で過ごすには広すぎる部屋である。
大きく伸びをする風月にトモミは苦笑いをしながら、話しかけた。
「風月さん、これが新しい制服です!」
「おっ、有り難うね。わざわざ」
「いえっ!あの、風月さんさえ良ければ、一緒に朝ごはん食べませんか?私の友達も居るんですけど……」
「えっ!ほんと?良いの?良かったー!私、友達が誰も居ないから一人で朝ごはん食べることになると思って、困ってたんだ!ありがと!」
風月の満面の笑みに、トモミはカチン、と固まった。
(なにこの人可愛い!)
「ん?おーい、大丈夫ー?」
「えっ、あ、はい!食堂でお待ちしております!」
「おーうっ!!すぐいくね!」
そんなトモミなど見ず知らず、風月は笑いながら手をヒラヒラと振った。
「あっ、風月さん!こっちです!」
「おっ、トモミちゃん!今いくねー」
しっかりと、寝間着から制服に着替えた風月。食堂の位置が分からず、学園をさまよっていたのは秘密である。
「あれが風月さん?」
「綺麗な人でしゅ!」
トモミと共に食堂の席に座っていた、少女二人も目をキラキラさせて風月を見つめた。
「トモミちゃん、待たせちゃったね」
「いえいえ!あ、この二人が私の親友で、いつも一緒にいるんです!」
「ユキです!これから宜しくお願いします!」
「シゲでございましゅ!これから頑張りましょうね!」
「私は花鳥風月!これからよろしくね!」
「「「はいっ!」」」
自分の言葉に元気に返事を返してくれた、目の前の少女達を見て風月は、やっぱりこの学校に来て良かった、と思った。