story
□淋しがり(天谷武)
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授業をサボって屋上に来ると、どこまでも続く青空が視界に広がった。
それと寝転がるひとりの男も視界に入る。
『おはよー天谷くん』
私は寝転がる彼の横を通り過ぎてフェンス越しに校庭を見下ろした。どこかのクラスが体育の授業をしている。ん?もしかして私のクラスかも。
なんてぼんやり体育の授業を眺める。
武「里奈、パンツ見えた」
『見ないでよえっち』
天谷くんは笑いながら寝ていた体を起こし立ち上がった。
武「黒か。いいね興奮する」
天谷くんは私の背後にまわりこむとふわりと抱きしめてきた。
そして彼の右手は私の太ももを撫でる。
『ちょ、天谷くん』
武「んー?」
『どこさわってんのえっち」
耳元で彼が笑う。くすぐったい。
武「パンツ見せられて興奮したから責任とって」
耳を舐められた。足を撫でていた彼の手はギリギリまで上にいくけれど触れることはない。いじわるだ。
まんまと変な気分になってきてしまった。
『天谷く、ん』
振り向いた瞬間唇を奪われた。初めからすごく激しくて思わず声が漏れる。彼の右手もキスと同時に下着の中に入ってきた。
『んっ…んん、』
武「やべー、里奈えろい」
天谷くんはニヤリと笑い、私を屋上の隅の日陰へと連れて行く。そこに押し倒された。
『ねえ、背中冷たいよ』
武「んー」
天谷くんは学ランを脱いで私の背中の下にひいてくれた。ちょっと待って優しいんですけど。こわい。
そう思っている間にも天谷くんは私の体を撫でまわしている。手つきがえろくて気持ちいい。
『天谷く、あっ…』
武「気持ちいい?」
素直に頷くといい子だな、って言ってキスしてくれた。すごくうれしい。天谷くん自身が入ってきて体の奥が熱くなる。
『あっ、あぁっ…もっと、』
武「もっと、何?」
天谷くんはニヤリと笑う。わかってるくせに。ほんといじわる。
『もっと、激しくして…?』
彼は満足気に笑い、奥まで突いてきた。何度も何度も。
『天谷く、ああっ!』
武「たける」
『た、武っ…んんっ」
天谷くんは愛おしそうに私を見た。
彼は、淋しがりなんだと思う。
情事がおわったあと、天谷くんは学ランを羽織りながら機嫌が良さそうな顔をしている。
武「里奈とヤれるなんて今日はツイてるな」
『き、今日だけだからね!』
武「は?だめ、また明日」
『明日!?ばか!天谷くんのえっち!』
淋しいときは私が側にいる。
end.