story
□クイーンか恋人か(レイ)
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ある日の食堂での出来事。
夕食も終わりかけの頃だった。
『シリウスって…いいよね』
リナが頬杖をつきながらぽつりと呟く。
「…何がだ?」
『クイーンだから』
その場にいるみんなが首を傾げる。
「どういうこと」
隣のレイが聞くと、リナは小さく息をついた。
『だって…キングの隣にはクイーンでしょ?』
セスがそれを聞いて何やらピンときたようだ。
「わかったわ、アリスちゃんってばシリウスにヤキモチ妬いてるのね!」
「てか、こいつ酔ってるだろ」
フェンリルが苦笑しながらリナを見る。
『キングの隣にはクイーンなの!ずるい!わたしもクイーンになりたい!』
リナはそう言って机に突っ伏してしまった。
「あーあ、どうすんだよ相棒」
にやりと笑ってレイを見るフェンリル。
「どうって言われてもな」
レイは突っ伏したままのリナの髪をさらりとひと房掬った。
「キングの俺の隣にはクイーンのシリウス、だけど…レイ=ブラックウェルの隣には恋人のリナ、だろ?」
リナはその言葉を聞いてがばっと起き上がり、レイを見つめた。
『恋人…』
「ん。それでいいんじゃねえの?」
『…そっか』
ぱあっと顔が明るくなるリナを見て、一同はほっと胸を撫で下ろした。
『レイー!好きー!』
「はいはい」
ぎゅっと抱きつくリナの頭を、レイは緩く笑って頭をぽんぽんと叩いた。
「見せつけやがって」
「結局シリウスはいちゃもん付けられただけだったわね」
end.