事件帳

□いちゃいちゃシリーズ4
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綾「ちょ…っと、まーくん…!」


明智「…ん?」


綾「ん?じゃなくて、やりにくい…。」




いつもの凛々しい顔つきとは違い、二人きりの時は甘えた可愛い顔になる。

今、私の部屋に居る。今度行く旅行の話し合いをするために、パソコンを引っ張り出したのだ。




明智「いや、お前の顔を見てたら放せなくなった…。大丈夫だろう?時間はたくさんあるんだ。」


綾「入力間違えちゃうから!放して…。」



下調べの最中だと言うのに、膝に乗せて抱きしめたまま、放してくれない。




綾「…もう。これじゃ先週みたいに何も決まらな……っ!…」



そう自分で言って先週を思い出して、照れてしまう。




明智「先週、か。仕方ないだろう。綾が可愛いから悪い。」


綾「事故です!」


明智「事故なのか。素直に白状した方が良いんじゃないか?」


綾「だから!寝ぼけてたの!」


明智「へぇ…寝ぼけて誘うのか?」




彼の顔が少し意地悪く歪む。


綾「う…。」




先週、昼寝時に肌寒かったため、布団だと思って思い切り自分の胸に抱きしめた。それがまーくんの腕だったのは気づかず。しばらく我慢したらしいが、耐えきれず私を起こし、そのまま…だった。




綾「もう知りません!拗ねます。それでは、明智さん。」


明智「怒ったか?…分かったから、こっちを向いてくれ。ただ、…そういう顔も好きだよ。」


綾「…何言っても許しません。」



わざとらしくパソコンに向かい、彼の顔から目を背ける。




明智「綾…。」


"ちゅ"


綾「っえ…!?」


明智「すまん、つい…もっと怒ったか?」




一瞬わからなかったが、どうやら耳にキスをされたようだ。いきなりの事に少し焦ってしまう。当の本人はそんなことには気づいていないのか困った顔をしている。



綾「んー…どうかしら。」




別に怒ってなどいないが、少し仕返ししたくなってしまう。



明智「今日はもう、何もしないから。」


綾「そう?本当に?」


明智「…ああ。誓おう。」




それじゃあ、とまーくんに向き直り、頬に軽くキスをする。驚いたのか、赤くなりながら後ろに下がる。




明智「っ…おい!お前な…!!」


綾「罰です。でも明智さんは何もしないんですよね…?」


明智「その…」


綾「ん…?」



そう言って私は今度、自分から深く口づける。少し…いや、だいぶ恥ずかしい。




綾「…っは、ん……」


明智「っ…!ま、待て、落ち着、!!……っ!」



これで何かして来たらまた拗ねてやろうと、子どもみたいに笑い、更に攻撃を仕掛ける。




綾「んん…っ…」


明智「ん…っ、頼む…!!分かっ…たから!!許してくれ…!」




真っ赤になりながら、必死に抑えてるだろう彼が愛しくてたまらない。




綾「したくなったの、キス。」


明智「……あ…あのな…!!これで俺が何かしたら怒るんだろう!?」


綾「ふふ…っ、正解!」




少しやり過ぎただろうか、とまーくんの表情を伺うが、嬉しそうだ。




明智「はぁ…全く。これで許してくれるのか?」


綾「はじめから怒ってないわ?」


明智「…完敗だな。」


綾「まーくん、下調べ再開しよう。」




私のスイッチを入れる彼が悪い、なんて反省などせず、最後にもう一度唇に触れる。




綾「許して?」


明智「……拷問だな…。」




そのまま、まーくんは顔を、隠して後ろに倒れる。



明智「許さないと思うか…?」



と、だけ言い、動かず黙り込んでしまう。彼が再起動したのは30分後だった。


END

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