書物

□サタンはまだまだお疲れ
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「って事があってさぁ、俊〜」

同室者である常盤俊にべったりくっつきながらトツポをぽりぽりと食べる。

「いやどういう事だよ。帰って来ていきなり、『って事があってさぁ』とか言われても分かるわけないだろ。漫画じゃあるまいし」

こいつの前では猫をかぶるのもやめている。
流石に疲れちゃうしね?

「ごめんて、で、かくかくしかじかでさ?」

「おう、お前が説明するのがめんどくさいのは充分に伝わった。もう説明しなくていい、その話聞かないから。」

ぷいっとそっぽを向いてしまう俊、見た目爽やか体育会系なのにこういうたまに見せる子供っぽい仕草に多くの攻めは心を奪われるんだと思います………

…………じゃなくて!!!

「ごめんって!!説明するから!!」

俊から離れて向き合い、今日の一連の事件を話した。
よく話に脈絡や守護がないと言われる俺だが、そんな俺の話でも俊はちゃんと理解してくれる。

「ふーん…お前なんかにストーカー居たんだな」

「お前なんかってなんだよ、流石に傷付くぞ。………ここも盗撮されてたし!!」

そう言えばと思い出して、カメラがあるんじゃないかときょろきょろする。

「はっ、そんなんで見つかる訳ねぇだろ」

くつくつと喉の奥で笑う俊に、それもそうか…とソファに座り直して改めて考えてみた。

「でも部屋に入れた事ないのにどうやって……」

「あー………窓、とか?お前大抵カーテンあけっぱじゃん?」

「なるほど!!」

確かにそうだ!と大声をあげながら急いでカーテンを閉める。
これで一安心だ。

「ん、もうこんな時間か俺もうねむーい寝るー」

ソファに座っている俊の膝に頭を乗せてたぬき寝入りをする
何故こんなバレバレな行為をするかって?そりゃあ……
動きたくないからさ!

「お前どんだけ怠け者なんだよ…ほらお姫様、よっ…」

そう言いながら俺を横抱きで寝室へ連れていく

そしてベットへ投げる

「わっ、もう毎回投げるのやめろよな!」

「じゃあ毎回運ばせるのやめろよな」

嫌味ったらしく言い放った後、おやすみと静かにドアを閉めた。

「なんだかんだ毎回運んでくれるんだよなぁ…俺のナイト様は」

ゆっくり落ちてきた瞼に逆らいもせず目を閉じる。

幸せそうに、微笑みながら。
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