書物

□サタンの初対面
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「ぁっ…せ、んぱ…//」

「好きだよ…だから、な…?」

「…………はい//」

そこまで読んでフッと携帯の画面が暗転した

「あぁー!まさか…こんないい場面で電池切れだなんて…っ!」

そう言いながら机にゴロンと突っ伏すと、横からツンツンとつついてくる奴が

「俊やめて…今傷心してるの…」

「充電器貸そうか?」

「ほんとぉ!?わぁー俊様マジありがとぉーう」

そう言うと俊は苦笑いを浮かべて黒板に視線を戻した。
そう、只今授業中です。日本史の。
なんであんな小説を昼間から、しかも授業中に読んでいるかと言うと、好きだったサイト様が久しぶりに更新されてたからなんです!


「むふふふ…」

「おいおい…猫かぶんなくて良いのか?」

「授業中は誰も見てないし、俊で壁になってるからさらに見えないってのー」

そうなんです、俊と俺の席は窓側の1番後ろ。
俺が窓側の1番端で、俊はその隣。そんな見られない席で猫かぶってても疲れちゃいますよぅ

そんなこんなでサイト様巡りがちょうど終わった時に授業終了のチャイムが。

「さー仕事仕事〜♪」

伸びをしながら猫撫で声を出すと近くにいたゴリラっぽいムサイ子がデレっとしてた。
あんまりやるのも考えものだな…


なんて考えながら生徒会室に向かった。


――生徒会室――

「おはよーぅ」

カードキーを通してドアを開けると、そこには生徒会のメンバーと黒くてもじゃもじゃな…

「……(こ、これは王道転入生…!?)」

カツラだとバレバレなほど不自然なもじゃもじゃ頭に瓶底のようなメガネ。
これは完全に王道君じゃないか!
と、思いながらいそいそと自分の机に座る

「この子が転入生の緑川君です」

「よろしくな!」

唯一見える口元がニカッと笑う。これは変装とったらさぞ受け顔なんでしょうね…

「ちなみに、僕のものなので手は出さないでくださいね」

「「えー、ずるーい!僕達のだよー!」」

ぇ…まてまて………
もうそんなとこまで話進んでるのぉ!?
嘘だろ…そんな……時間よ戻れぇぇぇ…!!!
想像の中で机をガタガタ揺らしているとかぐやちゃんから声がかかる。

「茉緒、自己紹介してないの貴方だけですよ」

「ぁ、はーい!東雲茉緒、2年で書記やってまぁーす、好きなものはクマです!よろしく!」

最後ににぱっと笑って王道君を見ると、少しニヤっとした気がした。………気の所為?

「茉緒、よろしくな!」

来客用のソファから立ち上がりまざまざ机の正面まで来て握手を求める王道君。

まぁ…人類皆友達だから、当然なのかなぁ…?

王道君はぎゅっと握った手をなかなか離してくれない。

ぇ、なにこれ

「ぁ、あの…緑川くん…?」

ニヤっとしたあと、俺の手の甲に口付けてソファに戻った。

ふぁ!?ぉ、王道君ってこんなんだっけぇ!?

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