SHORT
□【11】
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「いや、だって…」
「あんたが、俺の父親なんだろ」
「俺、まだ26だぞ!?こんな大きな子供が居る歳じゃねえし…」
「母さんの遺言に書いてあった。俺の父親が誰か。あんたの実家に電話して教えてもらったのがここだから、間違いじゃない」
「とは言っても…そうだ、母親の、名前は」
「南 佳子」
「みなみ、よし…こ…」
その名前に覚えがあった。
小学生の頃、5年生の時の担任。
俺達が6年生になる前に辞めた…
【11】
現れたのは、我が子でした。
「女子ー体育館で何してたんだよ」
「男子には関係ない話!!」
「気になるなー」
「男子だって、教室で話あったんでしょ?」
そんな話を、確か小学校の5年生の時にしていたと思う。
「セイリ整頓〜」
クラスの馬鹿が楽しそうにからかっていたっけ。
男は、性行為についてクラスで話をきいた。流石に初めて聞く内容で、精子と卵子が出会うと赤ちゃんができるとか、それくらいしか理解できなかった。
女のマ○コにチ○コ入れて、腰を振って射精したら女を孕ませられるなんて言われた訳じゃなかったから。
「春日くん」
「はい、何ですか?先生」
「今日、男子と女子で何かトラブルとかあった?」
「田村が整理整頓って言って女子に袋叩きにされた」
「…やっぱり。」
「?」
「……春日くんは、今日、男の子と女の子の体のしくみの話、ちゃんと分かった?」
「なんか、あんまし」
本当に解らなかった。
精子がどうして女の体に入るのか、男はどうやって精子を出すのかも。
「そう。あれはとても大事なお話だったからちゃんと理解しなくちゃ」
「はい…」
俺は比較的、良い子だった。先生ともよく話をしていた。贔屓にしてくれてるのも、何となく知っていたけど。
「先生が教えてあげるわ。おいで」
それは、優等生な俺を気にかけてくれるだけの、本当に何でもない会話だと思っていた。
その日、初めて精通を迎え、同時に童貞を捨てた。
「これは練習だから、ね?」
「先生、何か…出そう、でちゃう…!!」
「いいの、続けて…!!!」
相手は先生だった。
当時は状況が良く解らないまま終わった。これが赤ちゃんを作る方法だと言われたくらいかな。誰にも教えていないから秘密にしていてと言われたから律儀に秘密にした。
「練習」と言われたから、運動会のリハーサルと一緒だと思っていた。
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