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□大空
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しばらく一人で喋って考えたゆうだが、考えても何も浮かばないことが分かったのかスクッと立ち上がって辺りを見渡し始めた。


「うーん…民家の一軒もないなんてなぁ…。これは長期戦になるで…」


一つ大きなため息をつき、決心したのか歩きはじめる。


「これ、もし民家見つからんかったら、私餓死やな確実に」


うんうん、となぜか納得した風に見せるゆうは頭の中とは裏腹に、背中には冷や汗をかいていた。


「あ、そういえば!」


そう言うとゆうはおもむろに崖に向かって走り出した。
辿り着いた崖はかなりの高さがあり、もし落ちたら確実にポックリだろう。


「昔、目が覚める前には、よー崖から落ちる夢見よったな確か!なぁみんなも見たことあるやろ!?」


頭がおかしくなったのか誰もいないのに話しかけるゆう。一種の自己暗示なのだろうか。


「ひやぁぁぁ…っ!でもめっちゃ怖いなぁ。でも飛ばなあかんやろなぁ。
……………………よしっ」


しばらく唸った後、覚悟を決めたのか崖のギリギリに立つ。


「1番ゆう!いっきまぁぁぁぁす!!!」


せいやっ!!と言って勢いよく崖の向こうにジャンプ。そのまま真っ逆さまに落ちていく。


「う、うわぁぁああああ!!」


地面が迫り来る中、夢と分かっていてもやはり声を張り上げる。
もーすぐ地面という時、それは現れた。
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