Moonglow 〜螺旋状のサヨナラ〜(from マジすか学園)

□『出逢い』
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────翌朝。




夢を見た。



久々に、しっかりとした夢を。



しかし、その夢の中身は…





"誰かを庇って、死ぬ瞬間"





思わず目を疑いたくなる様な状況に、士は一瞬で、現実の世界へと引き戻された。




「…フハァ…ハァ…ハァ……」




目が覚めると、士は身体中に冷や汗をかいている事に気付く。




「嫌な夢だ…」




窓の向こうを見つめながら、士が呟くと、下から玄関のドアが開く音が聞こえてきた。




恐らく、ゲキカラだろう…




そう思った士は、ベッドからまだ鈍っている体を起こすと、そのまま下へと降りていった…







ゲキカラside




士の家を出たゲキカラは、学校までの道のりを歩きながら、色んな思いを駆け巡らせた。




ゲキカラ「……何なんだろう…あいつ」




士の表情、言葉、全てにおいて不思議な魅力があった。



人懐っこさ、くしゃっとした笑顔、"激辛" の表情を見せても、物怖じもしなかった事……



昨日突然会って、たった少しの会話しかしてなかったはずの少年に、ゲキカラは寧ろ興味を抱いていた。




ゲキカラ「何なんだ、この気持ち?」




踏切の前で、物思いに耽っていたゲキカラだったが、バーが上がるとその考えを断ち切り、再び学校に向けて歩き出した…









『世話になった、ありがとう。良かったら食べてくれ。』




テーブルの上には、これだけが書かれたメモ、それにメロンパン。



そして……




「なんで、せんべい?

…しかも、辛そっ」




辛いのは嫌いでは無い士だったが、目の前にある真っ赤なせんべいに、二、三歩後退りしてしまった……
 
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