Moonglow 〜螺旋状のサヨナラ〜(from マジすか学園)
□−プロローグ−
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2011年9月20日―――
東京の都心部にある街、神室町。
今日もこの街では、様々な人間達によるドラマが繰り広げられている。
仕事帰りのサラリーマン達…
今から出勤するキャバ嬢やホスト達…
目の前の通行人に対して、呼び込みをするボーイ…
コンビニの前で楽しく喋っている若者達…
この街にいる者は、皆、欲望を持って集まってくる。
それほど、この街には魅力という物がある。
それは時に、希望の光にもなり、一瞬で悪魔に成り変わる可能性も秘めている。
しかし今、そんな欲望に縋ってきた訳では無い人間が、第三公園に居た…
少女は一人、ブランコに身を預け、空を見上げていた。
その目は少し、哀しげな雰囲気を持っていた。
そんな時、既に出来上がっているサラリーマンの一人が、少女に近付いてくる。
サ「〜♪〜♪……んっ?」
?「………」
サ「お嬢さん、どうしたの?
…こんな時間に一人で?」
少女は酔っ払いのサラリーマンの言葉には反応せず、夜空を見上げて続けている。
サ「……あっ、ひょっとして…家出したのかな?
じゃあ、おじさんが君の面倒を見てあげようか?」
?「……大丈夫や。うちは別に、そんなんとちゃうし」
二言目で少女は、サラリーマンに口を開いた。
しかし、サラリーマンの方も酔いが回りすぎており、理性を保てていなかった…
サ「おっ、君、関西出身か?
おじさんはさ、関西弁の女の子がめっちゃタイプなんだよ」
サラリーマンは更に、少女の元へと近付く。
?「おじさん、それ以上近付いたら…
一生、女の子抱けへん様にするで?」
少女は近付いてくる酔っ払いに、鋭い眼差しを向けた。
その目線にサラリーマンは、恐怖を感じ、徐々に後退りをする。
サ「あは…ごめんなさい……」
サラリーマンはそう言うと、普段の二、三倍の速さで歩いていき、その場から去っていった。
酔っ払いの絡みから脱した少女は、一つ息を吐いた。
そして、その後、少女の口からある呟きが溢れた……
?「……前田、色んなもん…残していき過ぎやで?」
そこには、ラッパッパの現副部長としての迷いがあった。
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