射止めたのは…
□第三話
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セミの鳴き声が減ってきた。
残暑とはいえ、今日も暑いなぁー…
先週と比べて暑くなったと思う。
図書室は人がいない分、他の場所よりも涼しく感じる。
今日もお昼を食べてから図書室へと来た私は、閲覧席で今日借りる小説を読んでいるところ。
本当は先週借りた小説と宿題のために借りた本を返して教室に戻ろうと思っていたけど、受付に人がいないため返却できない。
いつもなら黒子くんがそこに座っているのに今日はその姿はない。
窓の外に視線を向ければどこまでも高い青空、そして真っ白な雲が見える。
ここからだと種類は分からないけど鳥が一羽、気持ちよさそうに羽を広げて飛んでいる姿も見えた。
スズメ?…にしては大きいからカラスとかかな?
…私もあんな風に飛んでみたい
小さい頃から鳥を見るたびにそう思う。
小説の続きを読むことそっちのけで窓の外を眺めていると、図書室のドアが開く音が聞こえた。
もしかして黒子くんかな。
でも、ドアの方を見れば予想していた人物ではなくて…