眠る光
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ふらふら、と歩いて行けば大きく聳え立つのは私の帰る場所
もう少し距離があるけれど飛ぶのも面倒だし歩こう
溜まっている仕事を終わらせにと出て行ってから早数年
…絶対怒ってるだろうなぁ
でも、私に個人依頼って項目をマスターが増やすからこんなことなるんだよ
私の許可なしに
久々の街は変わっていない
賑やかで、平和で、楽しくて
何年もあってなかったから話しかけられることはなかったけれど
パーカーのフードを被る私に向けて風が吹く
取れないようにと掌でフードを押さえつけた
ベージュ色の髪がふわり、を優しく靡かせてパーカーとその下に着たワンピースの裾を波立たせた