眠る光
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暇な時は本を読んでいた。
ジャンルは問わず何でも読んでいた。
誰からか言われたから───知識は必ず自分の為になる、と。
読むという行為は特別嫌いでもなかった。
だから仕事のない日や気分が向かない日は大体は今は使われていない図書館にいた。
そこの管理人さんにちゃんと許可を貰って。
その図書館は普通の図書館に置いてある本よりずっと古い本がたくさんあった。
読み甲斐があった。
特に魔法について書かれている本は何度も、何度も読み返した。
* * *
その中に書いてあった。
“絶対氷結〈アイスドシェル〉”
“術者の肉体を氷に変える代わりに対象を永久に封じ込める”
その本には丁寧にやり方まで書いてあったから分かる。
独特の構え。
それを今、目の前にいるグレイがやろうとしている。
グレイは死ぬつもりなの?
ナツは何が起こっているのか分からないようで、ただ強い魔力に吹き飛ばされそうになっていた。