眠る光
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剣を腹部から抜かれたと同時にグレイは傷を抑えて倒れこんだ。
『ぐ、グレイッ…』
パタパタと駆け寄り傷を見るが酷すぎる、重症だ。
無茶、しすぎだよ。
『少しだけでも、治すね…大地の恵』
ふぅ、と緑色の光に包まれるグレイは何処か悔しそうで辛そうだ。
「早く大人になることだ」
『…大人になるべきなのは貴方、ですよ』
攻撃はしない、なら足止めくらいなら出来る。
会話でなんとか時間を稼ぐ。
「オレの何が分かる」
『分からないですよ…でも、貴方はグレイを甘く見過ぎです』
ぐ、と目に力を入れてリオンさんを睨む。
お願い、少しでも時間稼ぎさせて…!
「他人が口出しするな!
アイスメイク“大鷲〈イーグル〉”」
ひゅう、と飛んでくる氷の鳥に私は反射的に魔法を使う。