Many colors
□第4Q
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黄「あ!梓っち、今度1on1してほしいっス!」
『………え』
嘘でしょ…なんて衝撃な表情をした梓は苦笑して出来たらね、なんて言っている
順番的には大我君が先に申し込んできたからそっちが優先ですよ、とは言えず
『…ていうか下ろしてください!』
黄「何でスか?」
『はっ、恥ずかしい…んです!///』
自分の口から恥ずかしい、なんて言葉が出る度顔を真っ赤にする梓は見られないように黄瀬とは反対側の方を向く
リコを見た梓は助けてください、と訴えてみるが伝わった様子がなくガックリ
抱き上げてられたまま、体育館へと案内される羽目になった
本当に黄瀬君…嵐のような人物ですね…
* * *
黄「あ ここっス」
リ「…って、」
日「え?」
体育館の中へと入ると手前のコートには人がぽつり、奥のコートでは走り込んでいる
リ「……片面…でやるの? もう片面は練習中…?」
日「てかコッチ側のゴールは年季入ってんな…」
これでもちゃんとした練習試合なのか、と疑問になった梓は少しだけ眉を寄せた
黄「じゃ、俺は着替えてくるんで…」
少し気分が良くない梓に気づいたのか急いで且つ優しく床に立たせた黄瀬はぱたぱたと何処かへ行く
するとこちらに向かってくる人物によって益々怪訝そうな表情になった
「ああ来たか 今日はこっちだけでやってもらえるかな」
武内監督だ
この言動が、表情が、格下のチームだと思って見る目が───すべてが陰気臭い
私を取りたいと言っていた時の表情とはまるで違う
それでも海常を持っている監督だ、実力は相当だ
リコは引きつらせた顔のまま挨拶をした
「ウチは今日の試合は軽い調整のつもりだ…無駄をなくすため他の部員はいつも通りの練習をしてもらっている。だが、軽い調整といってもウチのレギュラーのだ、ダブルスコアなどにならないように頼む」
ピクリと緊張感や怒りが走る中で目が血走っている火神
梓はやんわりと宥めるが彼女も笑顔が引きつり気味だ
『(…もう、ダメだ。溜め込んでいても)』