大きな翼を広げて

□episode1
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彼を見たまま動けなくなった私は手すりを掴む手に力が入った





何か、面白くなりそうと思った








また、少し笑った私は会場全体をぐるん、と見回す







するとちらほら、私を見て…いや、私の上着の背中に書かれた文字を見ていた





この、服で来るのはやっぱりやめておけばよかった







来て後悔した私ははぁ、とため息をついてまた、選手を見た








……面白く、なるといいんだけど









少し不安要素を浮かべてぽーっ、と見つめていた













もうそろそろ、試合が始まるようだ







今のうちに飲み物でも買ってこようと思い立ち、自販機まで行った







んー…、紅茶がいいな








ポチ、とゆっくり押したらガタン、と勢い良く落ちてきた




それを拾った私の後ろには影








誰?


ふと後ろを向くと癖のある灰色?の髪で左目の下にホクロのある人が立っていた






彼はにこ、と笑いかけてきた
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