メビウスのセカイ

□第一章
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彼女は 幸せだから
辛いという感情を 知らなかった


___ザアァァァ_
両親が亡くなったと聞いたのは、
ひどい雨の日のことでした。
「__え…お母さん…が?」
爆破テロ、でした。
その日は、奇しくも私の誕生日に…。
「お母さん…、お父さん…。」
…これは夢でしょう?
だって、昨日までは一緒にご飯を食べて、お喋りをして−・・・あんなにも、元気だったのに。
あり得ない、信じられない…。
「嘘だ…」ポツリ
「嘘に決まってるッ!!こんなのは、夢なんだ!!信じない信じない!!!」
「瑠璃ちゃん…落ち着いて?」「…瑠璃ちゃん……。」親類は私を宥めようとしたが私は泣くことを、叫ぶことをすぐにはやめられなかった。
「あぁあ…」
「…う…うっ………ひっく…お母さんお父さん…なんでなのおぉぉ…」
「っ……ぁぁあああああうわあぁぁぁぁん!!!」





     サダメ
「_これが運命なんだよ…」
何処からか、そんな声が聞こえた様な気がした−・・・
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