03/15の日記

09:12
鍵のかかったノートを見つける長谷部の話
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文机に鍵のかかった本が置いてあった。
拾い上げてみると、俺の読めない文字が表紙に書かれていた。
以前主に尋ねたがはぐらかされた南蛮の国の文字。少し忌々しく思いながら拾い上げてみると、小さな銀色の鍵がぶら下がっていた。
少しあたりを見回してみたが、開けるための鍵は置いていなかった。主は錠前と鍵を並べて置いておくような阿呆ではないので何の不思議もなかった。

玩具のような鍵だ。
構造の単純さや強度が問題なのではない。玩具ながらも鍵として、望まぬときに開かせたくないという意思表示をしている。その一点こそが重要なのだ。
つまり主はこの本の中身を不用意に見られたくないと考えているから、鍵をかけているわけだ。
審神者としての職務に関わることであれば、このように不用心にほうっておかれることもないだろうから、きっと違うだろう。
主の日記か何かだろうか。

長谷部は少し首を傾げ、文机に本を置き審神者の部屋を後にした。

知る必要の無いことは俺達に開示されやしないのだ、長谷部はそう思っている。

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09:01
鍵のかかったノートを見つける燭台切の話
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文机に鍵のかかった本が置いてあった。
拾い上げてみると、僕の読めない文字が表紙に書いてあった。僕の知らない他の国の文字らしい。
鍵は軽く少し力を籠めれば壊せそうなくらいちゃちなおもちゃだった。
興味本意で鍵を壊すことはたやすいけれど、でも、それをしてしまえば主からの信頼を失うような気がしてやめた。
きっと彼はそんなことでは怒らないだろうと思うけれど。もしかしたら彼は僕の事を信頼なんかしてないかもしれないけれど。
でも僕からその少し買い被り気味の信頼を壊すわけにはいかないのだ。
そう、僕は。

そこまで考えて鍵のかかった本を置いた。もしかすると本じゃなくて書簡とか帳面なのかもしれないな、それならなおさら怖くて見れないよ。
きっとその鍵の中には何よりも素直な主が居ると思うと。



……長谷部君なら壊すかもなぁ

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