幻惑の蝶
□Episode2
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クソ、ムカつくー!!!
イライラしながら、サブリナは走っていた。
その空気は受験者全員に伝わり、サブリナの周りには誰もいない。
そのことは、ヒソカの笑いの種になるとわかっているから、余計に腹が立ってくる。
一次試験は試験官サトツのあとに続いて走るという試験だ。
あの部屋にあったシャッターは地下道に続いていた。
今、その地下道に入って、数分。
その間、サブリナは怒気を辺りに振り撒いていた。
誰かアイツの怒りを止めてくれ…!
そう呟くことさえ、許されない状況で、誰かがサブリナの肩を叩かれた。
振り替えると自分と同じぐらいの背丈の少年がいた。
「何か用?」
もう話しかけるなと言わんばかりの顔でサブリナが振り返ると、黒髪を立てた少年が言った。
「どうして、そんなにイライラしてるの?」
すると、その少し後ろを走っていた銀髪の少年が黒髪の少年を止める。
「こいつ、ヒソカの女だぞ!
ヤバイって!」
「はあ!!?」
遠慮解釈のない声がサブリナから飛び出した。
その後、サブリナがヒソカの彼女でないと弁明することになったのは、言うまでもない。
その弁明の最中、サブリナはふとあることを思い出した。
「もしかして、キルアとゴン?」
すると、2人の目が丸くなった。
「なんで、わかったの?」
「あんた…何者?」
ゴンは素直に聞いたが、キルアは疑るように聞いてきた。
「私はサブリナ。
ジンとゼノの友達♪
いや〜懐かしいなあ…」
サブリナが目を細める。
そう言えば、最後にあの2人に会ったのは…。
ああ、そう…あの時か…。
「そう、あんたたちの出産祝いだったなあ」
この呟きに2人は首を傾げるばかりだった。
不思議に思ってる2人にサブリナは説明する。
「私があんたたちに会ったのは、あんたらの出産祝いに行った時だよ」
だから、覚えてないと、サブリナは肩をすくめる。
「へえ〜!オヤジの友達なんだ!」
目を輝かせるゴンに対して、キルアはまだ、疑いを抱いている。
まんま、信じてどうするんだよ!と、ゴンの頭をはたく有り様だ。
「いまいち、信用ないなあ」
サブリナが苦笑する。
「あたりめーだろ!
あのヒソカとベタベタしてたんだぜ?」
キルアは一蹴する。
「だから、してないっての!」
いつまで、引きずるんだ!
ヒソカの彼女説!
サブリナはヒソカの前で、寝たことを深く後悔した。