Clapping
□I forgot the valentine day.
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頭に鈍痛が響いて、ナマエは目を覚ました。
ヤバい…。
ちょっと飲みすぎたかも…。
あれ?いつの間にバスローブに着替えたんだっけ?
まあ、いっか…。
「さて、もう一眠りぃ!!?」
ナマエは体に伝わる温度や隣にあるモノに気付いて、声が裏返った。
ひ、ヒソカ…。
ヒソカはナマエを包み込むようにして眠っている。
それだけで、ナマエの中で幸福のボルテージが跳ね上がった。
昨晩のヒソカの暴挙も忘れて、その体に抱きついた。
引き締まった胸に顔を埋(うず)める。
「ごめん♠」
優しい声音が耳を打った。
同時にヒソカの腕がナマエをきゅっと抱き締めた。
「もういいよ」
胸から顔を上げて、にこりと笑う。
すると、ヒソカと目が合った。
その目には反省の色が見える。
そのことに、余計に頬が緩む。
「でも、ちょっと、残念だったなあ。
いろいろ頑張ったから…」
俯(うつむ)いて呟くと、ヒソカが耳に唇を寄せてきた。
「埋め合わせをさせてよ♣
何か欲しい物とかあるかい?」
「ヒソカを1日独占したい」
真面目に答えると、頭の上から笑い声がした。
顔を上げて、頬を膨らませると、ヒソカがその頬を掴んだ。
ブス〜と空気が抜ける間抜けの音がした。
その音にどちらともなく吹き出して、部屋に笑いが充満する。
笑いが収まった頃に、ナマエがまたヒソカの胸に顔を埋めた。
「今日は1日中このままがいいなあ」
「それは1日中、ボクとヤラシイことしてたいってことかな?」
ヒソカがニヤリと笑った。
「それ抜き。
昨日、私のことほったらかしにした罰」
顔を真っ赤にしたナマエはヒソカにデコピンをして笑う。
「痛いなあ♦」
「生殺しを味わえ」
クスクスとナマエが楽しげに笑う。
「あまり調子に乗ると、ヤっちゃうよ♥」
「させないよ〜だ」
くるりと向きを変えて、ナマエは笑った。
「あーでも、冷蔵庫のケーキは早く食べないと…」
ベッドから飛び降りて、ナマエは台所に向かった。
「ついでに、料理も仕上げちゃおう♪」
放置されたままの料理を仕上げにかかった。
「手伝おうか?」
ベッドから降りたヒソカが後ろから、ナマエを抱き締めた。
「ううん、いい。
もともと、ヒソカがシャワー浴びてる時に仕上げるつもりだったから。
でも、そうしてて。落ち着くから」
ニコリと笑って、ナマエはヒソカを見上げた。
「あんまり、かわいいこと言わないで♠
理性が飛んじゃう♥」
耳元で囁くとナマエはまた、顔を真っ赤にした。