Clapping
□I forgot the valentine day.
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2人でご飯を食べ終え、デザートのケーキを食べてると、ナマエが「あっ…!」と、声をあげた。
「急にどうしたんだい?」
「みんなの分、考えてなかった…。
イルミんとこには、郵送しなきゃいけないのに…」
毎年の恒例として、ナマエは旅団のみんなとイルミにチョコを配っている。
ヒソカも去年まではそのチョコをもらっていた。
「ヒソカのことで頭いっぱいで…って、言い訳になるかな?」
難しい顔をして、ナマエは首を傾げた。
「なると思うよ♣
彼女が彼氏のことで頭がいっぱいになるのは当たり前じゃないか♦」
「じゃあ、彼氏が彼女のことで頭がいっぱいになるのも当たり前だよね」
「それって言外にボクのこと、責めてる?」
「もちろん!」
ニコリと笑うナマエ。
「じゃあ、ナマエのことだけを考えられるようにして♥」
ヒソカはバンジーガム【伸縮自在の愛】でナマエを抱き寄せた。
「今日はなしだよ」
軽く睨んで、ナマエはヒソカを咎める。
「つれないこと言わないで♠」
ヒソカはそう言って、ナマエの首筋に唇を落とした。
ビクリとナマエの体が跳ねる。
「なしだってば!」
困ったように顔を歪めるが、咎める声には甘さが加わっている。
「シて欲しいくせに♥」
ヒソカは笑いながら、服の下に手を這わした。
ナマエは俯(うつむ)いて、刺激に耐える。
「ぷにぷに♣」
スベスベした肌を楽しみながら、ヒソカは言った。
「それって言外に太ったって言いたいわけ?」
困った顔を怒った顔に変えながら、ナマエはヒソカを見た。
「ううん、柔らかくて気持ちいいって言いたいの♦」
クスクス笑いながら、ヒソカはナマエを抱き上げた。
「うわー、下ろせー!
今日はなしだって!下ろせよお!」
叫んで暴れたら、ベッドの上に落とされて、咄嗟に受け身を取る。
「っと!」
その上にニヤリと笑ったヒソカが被さる。
「う〜ん、どこから食べようか…♠」
「………ケーキ食べ終わってからにしよ?」
真上にある顔にナマエは小首を傾げた。
「ナマエが食べさせてくれるなら♥」
「仕方ないなあ」と苦笑しながら、ナマエはケーキのセットをベッド横のサイドテーブルに置いた。
フォークで、ケーキを掬(すく)ってはヒソカの口に入れた。