a lethal dose of toxicant
□two drops
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ボクは彼女の額に手を当てた。
その時のボクの表情を見たのか、ハクレンは小さく笑った。
「無茶したから、熱は上がってると思う」
「うん、上がってるね♠」
ボクはバンジーガム【伸縮自在の愛】を解除してハクレンを抱き上げた。
彼女の熱がボクの体に伝わる。
こんな体で動くなんて…♣
なかなかの無茶をするね♦
ハクレンをベッドに寝かせた。
「床で、いい」
虚ろな目でボクを見るハクレン。
でも、その目は情けはいらないと言っているようだった。
「ダメ♠
キミはボクの大切な青い果実だからね♥」
「果実?熟れたら食べられるの?」
苦笑をするハクレンはやっぱり利口だ。
ボクの比喩に気付いたようだ。
「うん、熟れたら食べる♣
だけど、熟れなかったら、途中で間引く♦」
「そう」
小さく返事をして、ハクレンは目を閉じた。
ボロボロだけど、やっぱりボクのオモチャ♠
こんなサプライズをくれるなんてね♣
ボクは彼女の成長がとても楽しみになった。
その晩、案の定、ハクレンは高熱に襲われた。
ガタガタと震える彼女に毛布をかけるが、焼け石に水。
額に手を当てると、彼女はうっすら目を開けた。
「起こしたかい?」
ハクレンは小さく頭を振った。
「起きてた…。寒くて、寝れないから。
水が欲しい…」
掠(かす)れた声で水を要求するハクレン。
ボクはコップに水を汲んで飲ませるが、唇の端から水がこぼれ落ちるだけで、ハクレンが飲んでいるようには見えない。
ボクは自分の口に水を含んで、彼女に口付けた。
唇のわずかな隙間から水を流し入れる。
ハクレンののどがごくりと動いた。
どうやら、飲めたようだ。
「ありがとう」
ハクレンの消えそうな声のお礼に頷いて、ボクはハクレンの隣に寝転んだ。
傷に障らないようにその体を優しく包み込むと、小刻みに震えているのがわかる。
「離せ」とハクレンの声が飛ぶ。
だけど、ボクの体温が伝わっているのか、その体から震えがなくなる。
「ダメ、このままで寝る♦
ほんとは裸の方がいいんだけどね♥」
「変態」
笑いを含んだボクの声に、ハクレンも苦笑を交えた返事をした。
それから、ボクらは静かな寝息を立てた。
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