a lethal dose of toxicant
□three drops
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選んだ服を着たハクレンがバスルームから出てきた。
…何かがおかしい。
「…それどういうコンセプト?」
ボクの問いにハクレンは首を傾げてた。
「コンセプト?
ただ単に、血が付いても目立たない色且つ露出が少ない服を選んだだけ」
道理でおかしいはずだよ…♠
上も下も黒一色♣おまけに、長袖に長ズボン♦
これじゃあ、まるで強盗じゃないか…♠
それに…♣
「ハクレン、ブラジャーは?
ちゃんとクローゼットの中にあったはずだよ♦」
明らかにおかしい胸元を指摘すると、ハクレンは首を振った。
「胸ないから、タオルを晒代わりにした」
その返答にボクは思わずため息をついてしまった。
「私に女の子らしさを求める方が間違ってる」
無機質な声でそう言ってハクレンはクローゼットの下に並べられた靴を選びに行った。
そして、また渋い顔をする。
「ヒール高い…」
「ハクレン、悪いけどボクが選ぶよ♠」
しゃがみこんで難しい顔をするハクレンをさがらせ、ボクはクローゼットを見た。
「服なんて着れたら何でも良くない?」
「良くないよ♣」
「なんで?」
「なんでってキミ、女の子だよね?」
とんでもない発言をするハクレンの方を振り返って、ボクは性別を訊いた。
「そうだけど、それと服とどう関係するの?」
眉をひそめて、ボクの顔を見るハクレン。
確かにハクレンの身なりは明らかに貧困者って感じだったけど…♦
まさか、ここまで服に無関心なんてね…♠
「…もういいよ♣
ハクレンにとって、服なんてただの着るものなんだね…♦」
これ以上は馬の耳に念仏だと思ったボクの落胆した声に「まあね」とハクレンは苦笑した。
ボクは改めて服選びに専念した。
ボクはクローゼットから、白のワンピースに薄い青のジージャン、靴は革地の茶色いショートブーツを取り出して、ハクレンに渡した。
「それから、これも♣」
最後に薄紫の下着のセットを渡して、「また着替えるの?」と渋い顔のハクレンをもう一度バスルームへと連れて行った。
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