短編
□輪廻の果て
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お前が死んでから幾度の季節を超えたことか……
「吉継……」
長身の男が縁側に座り満月の下で独り酒を飲む
名は藤堂高虎……徳川家康の家臣。
時代は戦国から江戸へと変わり、泰平の世は着実に築かれていく。
「酒を酌み交わす約束……叶わなかったな……」
既にこの世から姿を消した友、大谷吉継を思いて涙を流す。
「なぁ、吉継……生まれ変わっても俺はお前の友でいたい……わがままかもしれないな。吉継は多分どこにいてもあいつ……石田三成と共にいそうだな……」
それでもいいんだ。
お前が笑っているならば……
俺は……
それを遠くから眺めるだけでもいい。
吉継……
もう一度お前に会いたい
なぁ、神様……俺の願いを叶えてくれ
生まれ変わったらさ、
吉継とまた友達でいたいんだ