むかしむかし あるところに ひとりのあかちゃんが うまれました
おかあさんは おさいほうがとくいな あかいかみのけをした きれいなひとでした
おとうさんは りょうりのとくいな くろいかみのけをした すてきなひとでした
あかちゃんの きれいなあかいめは まるで ほうせきのようでした
あかちゃんは べにざくろとなづけられ たいせつに そだてられました

ところが しあわせな ひびは ながくは つづかなかったのです
おかあさんは おほしさまに なってしまいました
やさしい やさしい おかあさん
きれいな きれいな ねがおで てんごくへ いってしまったのです

べにざくろは ないていました
らいねんは いよいよ がっこうへいって あたらしいともだちが できるのを とても たのしみに していました
なのに おかあさんは だいすきだった おかあさんは もう いないのです
なみだが とまりませんでした
すると べにざくろのまえに おほしさまが ひろがりました
「これはね こんぺいとう って いうんだよ」
おとうさんは やさしく わらいました
あまいあじが くちのなかに ひろがりました

あかい ばらのはな
くろい ふたつのりぼん
そでのない つくりかけのしゃつ
ながい くろのてぶくろ
くろい ふわふわのすかーと
しろい いっついのくつした
くろい ばれえしゅーず
そして ふたつのぬいぐるみ
おかあさんは いろいろなものを のこしていきました


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