パラレルワールドから来た図鑑所有者

□渦に吸われて
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「………………ここは?」







気がついたらレッドは町にいた。
しかもそこは………


























(まさかここってマサラタウン?)










自分の良く知る町、マサラタウンなのだ。








………戻ろう。






レッドは滅多にシロガネ山から降りない。ここへ戻ってきたら確実に大騒ぎになる。




リザードンを出そうとすると、声が聞こえた。











「くそう、またはじかれた」

「よおし、今度は私の番よ!」

「お前に捕まえられんのか?」

「バカにしないでよ」





見ると、ニドリーノの周りに子ども達が集まっていた。どうやらゲットしようとしているらしい。


「このモンスターは私が捕まえて育てるんだから!えーい!」




しかし、ボールは弾いてしまう。





(…………弱らせないの?






レッドが疑問に思った時、どこからか自分に似た赤い少年が出てくる。





「ハハハ、そんなんじゃダメだよ。ポケモンを捕まえたけりゃ、もっと弱らせてからボールを投げるもんだぜ」



少年はちっちっちっ、とカッコつけながら言った。


「こんな風にな!行けっ、ニョロゾ!"みずてっぽう"だ!」



"みずてっぽう"を見事に命中させ、ニドリーノが怯んだ。



「そうして、弱らせてからボールを投げて…




へへへ、ニドリーノ、いただき!」



少年はボールを投げ、ニドリーノをボールにおさめた。



「すげえ!」


「さすがレッドだ!」









すると、レッドという同じ名前の少年は得意げに笑っていた。







「ねぇ、レッド、オーキド博士って知ってる?」



(…………懐かしいな。)



………オーキド博士。マサラタウンに住むとても有名な博士だ。レッドが持っているポケモン図鑑もオーキド博士が作ったものである。





「あの町外れのへんくつじじいだろ?そいつがどーかしたのか?」




なんかひどい言われようだ…………………。



「うん」

「それが噂だとポケモンにすごく詳しいんだって。」

「ぼく、どうしたら強くなれるか聞きたいなぁ。」


「ただのじじいだぜ。やめとけよ。ポケモンのことならこのオレが教えてやっからよ。」




「でもね、博士の孫は博士に教わって凄いポケモントレーナーになったていうし……」










実際オーキド博士の孫………グリーンはトキワジムジムリーダーになっているし、妹のリーフもかなり強いポケモントレーナーだ。



「孫!?」







「うん。ずっと留学してて、最近帰ってきたんだって。」



……なんだって?










レッドはそう思った。グリーンはトキワジムリーダーの仕事がある。妹のリーフはこの前あったばかりだ。




「……へん!!たとえどんな奴が相手だって、おれ様の敵じゃないぜ!!なあ!ニョロゾ!」









もう一人のレッドがニョロゾのボールをかかげたその時。



レッドは気づいた。彼は自分の実力に自信を持っている。






しかし、それでは駄目なのだ。レッドは確信した。これから先彼は必ず後悔する……と。











しばらくして、レッドがリザードンで帰ろうとすると、声が聞こえた。
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