*K 短編*
□もしも猿比古がオッドアイだったら
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それに気付いたのは赤のお姫様だった。
「サルヒコ、目、怪我したの?」
いつになく不機嫌な猿比古に声を掛けることを躊躇っていた吠舞羅の面々はアンナが勇者に見えた瞬間だった。
「あ゛?.........嗚呼。そうだな」
「痛くない?」
そっと眼帯の付けている方の目にアンナが手を伸ばす。
「!?」
パシンッ。
乾いた音が響いた。
「サルヒコ、「猿っ!てめぇ!アンナに何しやがってんだ!」
短気で馬鹿な美咲は自分の目で見たことが信じられなかった。
「八田ちゃん、落ち着きぃ。伏見、伏見?」
草薙が八田を止め猿比古にどうしてアンナの手を払ったのか聞こうと、猿比古を見るが当の本人は顔を真っ青にし、ガタガタと体を震わせている。
「ふ、伏見。どないしたん。風邪か?おい?」
「触っちゃ、ダメ。サルヒコ、触らない。大丈夫」