刀剣乱舞

□You are mine
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ああ。
また来てしまう。
私の大事な、大事な君が。
命に捕らわれて私の前から去ってしまう瞬間が。
――何度体験しても、心が引き裂かれそうになる、痛みを伴った瞬間が。

君と出会ったのはもうどれほど前のことであっただろう?
政府の命で、審神者の力を持った君はごくごく普通の女の子から審神者となった。
――まだ子供じゃないか。
彼女に呼び出された私の、彼女への第一印象はそれだった。
「石切丸さん、初めまして。私はありすと申します。」
綺麗な顔で笑う君に、素直にきれいなひとだ、と思った事をよく覚えている。

君の心の闇はとても深淵で。
それが何故なのかは今の私ですらうっすらとしか分からない程ありすはひた隠しにしている。
大人ぶって仕事をしているけれど、夜は必ず枕を濡らして眠っていて。
初めて鍛刀した刀だからか、それとも単に体躯が大きく安心するからなのか、気づけば深夜に私の布団へ潜り込んでいることが多くなっていった。
このときの私はまだ、君にこんな劣情は抱いてはいなかったのだ。


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