☆ Short Storys ☆

□友達からはじめよう〈完結〉
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午前中の収穫は、小振りのカツオとイナダが1匹ずつ。


船長にさばいてもらって、刺身やあら汁が出来上がる。



そこへ例の彼女が大きな包みを持ってきた。


『あのぉ…これ、
 おにぎりとか作ってきたんですけど、
 一緒によかったらどうぞ。』


「えっ、いいの?
 じゃ、みんなで昼飯にするか!」


『はい! どうぞ!』



彼女は、おにぎりと、唐揚げや卵焼きの入ったタッパーを広げた。


「じゃ、遠慮なく、
 いっただっきます!」


おにぎりを手に取ると、ホカホカしている。


「あれ? あったけぇ〜!」


『あ、それ、
 保温バッグにホッカイロひいて、
 その上に乗せてくるんですよ。
 この季節の海は特に寒いから。』


「へぇ〜なるほどねぇ…
 あぁ、んまいっ!」


『よかったぁ……』


船長もまじえて、みんなで昼飯を頬張る。




それが済むと、また釣りの再開。


満腹であくびをしながら、のんびりと引きを待つ。



ふと、彼女のいる後方をみると、
ヘッドフォンで音楽を聴きながら、
海を眺めている。


「ん? 釣りしてないんか?」


竿を船長にまかせて、彼女の方へ行ってみた。

 
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